接客のときはキャラを作る演技派
飴矢、こう見えて(どう見えているかは正直知らない)根はめちゃくちゃ人見知りなんですよね。
接客業に就いて早10年。仕事のときは話せるタイプへ進化しました。
プライベートですか?
いまだに美容室とかはかなり苦手なタイプです。
多少は取り繕えるようにはなりましたけど、苦手意識は諸々ある。
ともかくとして。アパレルの時が実質、初めての本格的な接客デビューだったわけです。
当初はズタボロでしたね(・∀・)
いまだに当時の店内BGMだったその頃の流行りの洋楽を聞くと苦い思い出がよみがえるレベル…。
面接こそ緊張をあまりしない特性と、そこそこの機転も利くタイプなのでいけるんですけどお客様とのフリートークは難しい。
当時の店長からも「はいかいいえで終わるような質問をしてはダメ」「言葉のキャッチボールをちゃんとしてくれる?」などダメ出しの日々。
繊細でこそあれ負けず嫌いなのでこう必死でしたね。
必死ゆえに悪循環でわりと帰宅後、お風呂で悔し泣きもしましたねぇ。
上手く話せないのでまず、知識を増やすことにしました。
繊維の特徴や、服のパーツの名称など基本的なことを叩き込みました。
幸い記憶力がわりといいので難なく覚えることはできましたが、これといった手応えはなし。
せめてコーディネートの幅を広げようと自社製品と同じ雰囲気の雑誌を見つける度に買う。
VMD(売場やマネキンの陳列)は店長の仕事だったので、これを任せてもらうには至らず。
色彩の勉強なんかもしました。
イエベ、ブルベなど今でこそよく聞きますがその当時は一般の人への浸透率は低かった頃です。
似合いそうな色合わせなどは理解したものの接客となると難しい。
そうして試行錯誤しながら辿り着いたのが、愛嬌と正直であれの一言に尽きる(・∀・)
メンズアパレルだったので、必然として男性のお客様が多いのです。
そりゃあ多少かわいくなくとも、アパレル店員という肩書き補正と愛嬌さえあればわりと何とかなった。
試着後に、「何か違うな」と思ったらすぐさま別の物に切り替えます。
大体そういうときはお客様自身も「似合ってないな…」って感じなので、「それよりこっちです!」と似合いそうなものを試着中に準備しておきます。
きっぱりこれはあんまり似合わないなどと言うものなので「自分もそう思ったけど、店員の言うセリフかw」はわりとよく言われました。
「ベージュは似合わないから」と言っていたお客様に「こっちのベージュなら似合うから!騙されたと思って1回!」と試着してもらうと「あれ?ベージュだけどいける」となって、コーディネートや色の勉強の成果も出てきた。
似合うものは似合う、色やサイズが違うものはきっぱりお断りをする。
こうして徐々に自分の顧客さんも出来てきました。
ただ自分の顧客さんは、別のお客様が入店すると「お客さん来たよ!行きな!こっちはしばらく勝手に見ておくから」となぜかわたしを送り出す方が多かったですね…。
※接客をしないといけない店と知っている
「あなたもお客様じゃないですかー…」と思いつつも、声かけには行かせてもらってましたけど。
店サイドとすれば多少似合っていなかろうが、サイズが合っていなかろうが「お似合いですよ」と販売するテクニックもあるでしょう。
ただ、そういう「ん?微妙かも」って思ったやつは自分も経験上あんまり着ないんですよねー…ということを話しつつ接客していました。
「変わった店員さんだね」がたぶん、アパレル在籍時にもっとも多くのお客様から共通して言われたことですね。
せっかくなら長く着れる服を選んでほしいじゃないですか?
カップルでの来店のとき接客のメインは彼女の方。
あと嘘でも「彼氏います♡」アピールはしておく。
彼氏が試着室にいるときに彼女となるべく会話。
彼女とわたしが仲良く話していたら彼氏も気兼ねなく試着もできて結果、滞在時間も購入点数も増えます。
彼女を一人ポツンと待たせる申し訳無さが減るし、同性ではないので嫉妬することもないですしね。
そして彼氏が自分で選んだ服以外で「彼女が着てほしい服」を何着か選んでもらう。
周りが男性ばかりだったので、貴重な女の子と話す機会で楽しかったです。
あとお客様の雰囲気にあわせて口調は変えていました。
若くて元気のよさそうなお客様にはノリよく、「あ、いい!めっちゃ似合いますね!」などと満面の笑顔でこちらも元気よく、手振りも大きめで。
大人しそうなタイプの方には「こっちも着てみてくれませんか?似合うと思って持ってきちゃいました♡」控えめな微笑みで、ちょっとゆっくりめに話す。
年配のお客様にはより丁寧さを意識した敬語に加えて、たまに意識的に方言(古めだとなおよし)をつかう。
その様子を見た後輩からは「飴さん怖ぇよ」と言われていた。
控えめバージョンは後輩いわくわりとブリっ子で怖いと…(・∀・)←日常的に後輩を名字の呼び捨てで呼んでいた人
どんなお客様とも共通の話題が見つかるよう、また話すネタに困らないよう昼休みはネットニュースの時事ネタ、芸能、スポーツニュースは欠かさずチェック。
広く浅くでいいので、とりあえず流行りモノは雑多に情報収集。
ちょうど趣味は野球、ボクシングなど格闘技観戦(ムダに詳しい)だったためそのへんは対等に渡り合うか、時々「待って、そこまで詳しくない」と待ったをかけられていた。
野球だと2軍情報は野球好きは当然、知っているものと思っていたよ…。
ボスからも「優勝セールいつくらいになりそう?」とか時期がきたら聞かれてキビキビ最短と最長を答えてたよ…。
癖になって、いまだに昼休みのネットニュースで情報収集をやめられない。
あと専門用語はできるだけ使わないようにしていました。
いいんだよ、ダサかろうがカッコ悪かろうが伝わりやすさが最優先(・∀・)
基礎知識があるからこそ言い換えができるようになったので、勉強も後になると無駄にならなかった。
登録販売者になってもそのへんは変わらない。
なるべく分かりやすさ重視で説明していたら近くで聞いていた新入社員ちゃんたちからも「飴矢さんの話、わかりやすいです!」と好評だから。
そのへんお世辞と思わず素直に受け取る飴矢(単純)。
大学…中退はしましたけど、心理学科だったのでそのへんの知識もちょいちょい使っています。
相手に質問する前に自分のことを話すとか。
「わたしは◯◯なんですけど、お客様はどうですか?」などと自分のことを先に言っとくと、聞いた以上は相手も抵抗なく答えてくれます。
あと共通項をできるだけ増やす。
そして「わたしも◯◯好きなんですよ!特に✕✕のエピソードで△△なとこがすごい好きで!」となるべく具体的かつマニアックなところを話す。
傘を持っているお客様が来たら「すみません、今来たばかりですか?雨ってもう降っていますか?」と質問する。
「降っていますよ」などと返事がもらえたら「館内だと分からなくて…ありがとうございます!今日、傘を忘れちゃってて気になっていたんです(嘘)ゆっくり見て行ってくださいね!」と一度退散。
二度目の声掛けは、さっき会話をしたおかげで嫌がられないのでスムーズに接客にいける…といった寸法など。
こんな感じで心理的な距離をつめていました。
今や初見のお客様とも傍から見たら「あ、飴矢さん知り合いが来て話しているんだな」と思われるレベルで謎に盛り上がっているときがある。
入院患者さんのご家族が買い出しにきたときは大体、「誰が何の病気で入院中」かの情報を気付いたら聞いている。
別に質問もしていないし、売り場を案内した商品とも関係なかったりするけど、お客様の方から事情をお話してくださる。
たぶん誰かに聞いてほしいんだろうなと、他人だからこそ話せる気安さということもあるんだろうなーと思って聞いている。
薬の接客のときは、積極的に体験談や使用感を話している。
体験談ってわりと響くみたいですごいお客様が話を聞いてくれるので助かる。
よく怪我したり、喘息だったりしても役立つから分からないものだなー。
長く接客をしていると、根はまだ人見知りでこそあれ他人に気合いを入れずとも声を掛けられるようになったからわりと進化している。
前はいちいち気持ちの準備がいったんだよ…そして話す声も小さいから何度か声掛けないといけなかったりして困っていたんだよ…。
そのくせ見て見ぬふりができない性格で…目の前でハンカチとか落としていった人に前はちょっと止まって、勇気を振り絞って小さな声をかけていたのが
今は躊躇せず拾って「落としましたよ!」とすぐに相手が気付くレベルの声量になったからだいぶ進化。
…こうして見るとなんか器用なのか不器用なのか分かんないな。