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母の安眠とポルターガイスト

そんなに怖い話じゃないと思うけど、心霊系苦手な人は飛ばしてください。

結局のところは、生きている人間が1番強いし怖いと思っている飴矢。

親父は霊感がある。

しかし、幽霊の類はまったく信じていない。

そのわりにたまに不思議体験をしてくる。


ある日、クリスチャンだが仏壇を売る仕事をしていた親父。

仕事柄、お寺さんに行くこともあってその日も向かっていた。

夕方頃、街灯の明かりもつき始める時間。

向かっているお寺から女の人が出てきたから会釈をする。

同じ進行方向にいるので何も考えずに歩いて行くと「パッ」と人感センサー点灯。

「…え?さっきまでいた女の人は?」と思うも顔を上げると姿は見えない。

そんなに時間は経っていないのに。

黄昏時のお寺って不思議だね。


これまたある時は別の仕事で某県まで出張に行った父は日々、隣室の者と戦っていた。

というのも、夜中になると「ドーン!!!」と盛大に壁にぶつかる音がするのだという。

ちょっと叩いた程度じゃない、父いわく体ごとぶつかっているような音。

出張も最終日。

今日で決着をつけてやると「ドーン!!!」ってなった後、ドーン返し。

この日は1ドーンで終わったらしい。勝ったね、親父!

翌朝、やり返した手前フロントで先手必勝とばかりにフロントに「隣室の人が夜中になると壁を叩いてうるさいんですよね」と伝える。

部屋番号を伝えると気まずそうにフロントの人からは「お客様の隣はこの数日ずっと、誰も泊まっていませんが…」

親父、何と戦ってたの?そして勝ったの?これはもう出ないんじゃね?向こうも生きた人間が怖くて。


ある年の旅行先。

旅館の窓からはオーシャンビューならぬお墓ビューという景色だった。

「わぁ…」

わたしたちはそっとカーテンを閉めた。

「御札があるんじゃね?」と部屋の絵画の裏とか探そうと親父とはしゃいでいたら母からわりと強めに注意された。

母、心霊番組すら苦手で幽霊もめっちゃ信じてる。

父とわたし、あんまり信じていない。兄は分からん。


そしてその夜。

…電球がパチパチいうよ。

生でラップ音って初めて聞いたよ。

しばしパチパチ、バチッというのをBGMに過ごす。

あれだな、長く続くとわりと恐怖よりもうるささが気になるな。

あと音が移動するんだなー。

「ねぇ、さっきからこの音…」

「虫だから寝なさい」

と父。

「いや、絶対虫じゃな…」「寝なさい」

被せ気味に言われた。

仕方ないからうるさいなと思いつつ寝た。

ちなみにこのとき母、熟睡。


翌朝、初めてラップ音を聞いたねと話す父と兄とわたし。

朝食を食べに行くと近くの席に座っていた女の子たちの会話が聞こえてくる。

いわく、最上階に泊まっていたのに一晩中天井からパタパタと足音がとまらなかったと。

そっと旅館をあとにした。


ある資格の受験のとき。

隣県まで遠征で受験に行ったので、ついでに父母と一泊二日の旅行をすることにした。

うん、1日目はわたし受験なんですけどね。

2日目も帰りしなにある水族館に寄ろうね!くらいの感じ。

まぁ、夕方には解答速報も出て「あ、たぶん受かったわ」とまったり温泉を堪能する。


そして眠れぬ深夜2時。

何か2部屋でしか予約取れなくて1人。

いや、アトピーが…温泉で悪化したようでめちゃくちゃ痒いんですけど。

えぇ…上る前シャワーで温泉の湯は流したのに。

あとアトピー性皮膚炎に効果って書いてたのにー!

痒さでひたすら眠れずにいると、おもむろに窓をバンッと叩く音がする。

ここ、4階。ベランダなし。

深夜だから鳥とかの動物じゃないと思うんだ。

あと物理的に窓って叩けないと思うの。

不定期に窓バンバン。


「チッ」

痒みで眠れないうえにうるさいときたか。舌打ちも出るものですよ。

それでも止まらない。しつこいなぁ?!


「ぁ゙ー!もうっ!!(怒)うるっせぇなぁ!!」


強めのひとり言がでた。

大人しくなった。分かりゃあいいんだよ、分かりゃあ!

翌朝、父に聞くと「あぁ!1時半過ぎにうるさかったから窓叩き返したらやんだよ!」と。

おい。お前のせいかー!!!タイミング的にそっちのがこっちに来たんじゃん?!

あと母、熟睡。

家族は謎現象に遭遇するのに、毎度母だけは寝ている。

まぁ1番怖がるし、母の安眠が守られて何よりである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちちうえ…! たたかうんですね^^; さすがだ こういう体験はしたことがないです もしかしたら気づいてないだけかも知れないけど(鈍
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