大人の卵アレルギー
鶏卵アレルギー。子どもの食物アレルギーの第一位です。
子どもは適切な治療をおこなえば免疫がつき、大きくなる頃には卵は食べられるようになります。
大人の食物アレルギー、甲殻類が第一位、小麦が次点です。
大人の場合は残念ながら完治は中々困難だとされています。
今まではパイナップルを食べると口の中が腫れるし、舌もチクチク痛むので、アレルギーだろうと食べるのをやめました。
わりと好きな果物でしたがお祭りの夜店くらいでしか食べる機会もなかったので、比較的すぐに諦めもつきました。
それ以外は好き嫌いこそあれど、身体が受付けないものはなかったんです。
ところが数年前、なぜか不定期に時折ひどくお腹を下すことが増えました。
食後、数時間経つと腹部の膨満感に痛み、そして下痢ということを繰り返しました。
それも「もう水しか出ないから…もう7〜8回はトイレと自室を往復しているから許して…」というひどいものから「お腹がはって痛い…」と数時間ほど違和感が続くレベルまで様々なパターン。
長くても5時間ばかしで症状は治まるので、胃腸炎などではなさそう。
何か食べ物が原因で症状が起きているのでは?と思い、症状が出た日の食事を記録することにした。
結果、カツ丼、カルボナーラ、ティラミス、生卵入りの納豆、すき焼き、オムライス、月見うどんでした。
生卵や半熟など加熱の弱い調理法のときの卵料理が共通点でした。
しっかり加熱してある目玉焼きやお好み焼きやチャーハンといった別の卵料理では特に症状がなかったので、「これ」といった食べ物が調べるまでは分からなかったのです。
当時の自分の好きな食べ物ランキングは1位オムライス、2位焼き肉、3位カツ丼でした。
トップ3のうち2つが食べれなくなるのは嫌でした。
頼むから卵アレルギーだけは勘弁してくれと。
とりあえず家族にどうも卵があやしいと伝え、確かめたいからすき焼きが食べたいと頼みました。
せっかくだし、たまにはすき焼き食べたいなという邪心もありつつで。
結果。一時間も経たないうちに腹痛。
そして冷蔵庫から麦茶を出す→トイレ、食器棚からコップを出す→トイレ、コップに麦茶を注ぐ→トイレ、麦茶を冷蔵庫にしまう→トイレ、麦茶を飲む→トイレという悲しい往復をする生き物と化した。
もう何も出ない…と打ちひしがれるまで往復した。
その後は数時間続く腹痛に耐える。
これ以降、「生卵はやめとけ」と家族間でなった。
あまりにもかわいそうな姿だったらしい。
それでも認めたくはなかった。
「ちょっと皮膚科でアレルギー検査してくる」と言って、以前騒動を起こした皮膚科を受診する。
血液検査の結果は陰性でした。
ただし「疑陰性もあるから、症状がある以上はアレルギーと思っておいたほうがいいよ」と。
この皮膚科ではアトピーの薬も処方してもらっているし、飴矢がアレルギー体質なことは理解されている。
でも陰性なら大丈夫かもと何度か卵チャレンジをしていたら、段々と目玉焼きですらあやしくなってきた。
しっかりアレルギー認定されたほうが諦めがつくかもしれない。
ちょうど兄の勤務先がアレルギー科が強いところだったので「まぁ1回ちゃんと調べてみなよ」ということで行ってきた。
そこでプリックテストという、針で皮膚に小さく傷をつけその上にアレルギーを調べたいものの液体をたらして反応が出るかを見る検査をすることとなる。
ついでなので解熱鎮痛剤の成分もいくつか一緒に検査してもらうことにした。
その結果、卵白のところだけしっかり反応が出た。
症状が重い解熱鎮痛成分は無反応だった…なぜ…。
ただ一度重いアレルギーを起こしているので「NSAIDs不耐症疑い」で今後も避けていくこととなる。
仕事柄、薬の成分も見るので自力回避も可能なのでそれ以上の検査はなしで。
卵は症状が出ない範囲なら…ということで、現状は焼き菓子や揚げ物のつなぎ、卵黄使用のマヨネーズ類をエビフライ1本分くらいならセーフ。
お好み焼き、冷凍食品のチャーハンとカルボナーラはその日の体調次第。
冷凍食品ではないチャーハンやカルボナーラはなぜかアウト。
茶碗蒸し、カスタードクリーム、卵焼きに目玉焼きあたりから完全にアウト判定。
カツ丼とオムライスはもうかれこれ数年は食べていないな…ケーキ屋さんに行ってもショートケーキかシフォンケーキ、ガトーショコラのほぼ三択であんまり楽しくなくなって悲しい。
「血液検査は陰性で皮膚検査だと反応でることもあるんですね」と言ったら
「…若い人ではわりとありますね」との先生の返事。
微妙な間があったので何となく引っかかり後日、現役小児科医師の兄に聞いてみると
「あぁ!赤ちゃんに多いよ!」
思ったよりだいぶ若い人だな…。
もしかすると先生、気を遣ってぼかして言ってくれていたんじゃ…。
その日の体調次第でどこまで卵がいけるかは変化するものの、やっぱり時々は食べたくなってチャレンジしている。
そして時々は賭けに負けて腹痛でダウンしてしまう…のを繰り返していたら、段々と閾値が下方修正された気がするから最近は自重している。
終わりのある腹痛のため精神的には楽だし、だいぶ痛みにも慣れてきたのでカツ丼とオムライスを食べることはいまだに諦めておらず虎視眈々と機会を狙っている。
食べ物の執着って中々消えないから困るし、パイナップルに対しては薄情だったなと反省している今日この頃。