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OSHO禅タロットカード~~ その5

私は部屋へ戻ると~簡単に荷物を整理し、取り敢えず窓際にある椅子に座った。

ほっと一息つく。やはり長時間のドライブのせいか身体が重い。少し横になろうかとも思ったが、どうしても彼女の事が頭から離れない。

 

やはりOSHO禅タロットカードに聞いてみよう!気持ちを切り替え、直ぐにバッグからカードを取り出す。気持ちを彼女に集中させてシャッフルし、5枚を選び出した。

「えっ、これは!」 思わず息をのむ。ペットロスの今から過去に遡って引いてみたカードが驚くべき内容を示していた。

「こんな事って、でも、。」っとその時、軽くドアをノックする音がした。続いてベルの音。彼女が来た様だ。


私は入口へと急ぎドアを開けた。彼女は少し不安そうに「お言葉に甘えて、、来ました。」そう言うと少し笑った。


「どうぞ、中へ。」右手を部屋の奥へ差し出して、彼女を招き入れる。


「有難うございます。」そう言いながら彼女は静かに入ってきた。そしてテーブルの上にタロットカードが並んでいるのに気付き、「これは何ですか?」と少し戸惑う様子で聞く。


「OSHO禅タロットカードです。失礼かとも思いましたが、あなたの今から過去について、カードに聞いていたところでした。本当はお話を聞いた後にそうするつもりでしたが、、。」


「えっ? そんな事まで出来るんですか?」本当に驚いている様である。


「はい、カードが教えてくれる事って意外に沢山あるんですよ!」カードを脇に寄せながら、向かいの椅子を勧めた。 「どうぞ、おかけください。」


彼女は軽く会釈をしてそこに腰掛ける。が、まだ何となくまだ居心地が悪そうである。そんな彼女に、いきなり心の中へ踏み込むのはどうかと躊躇われ、

「お仕事は忙しいですか?」さり気なく装い聞いてみた。


「はい、お陰様で、忙しくさせて頂いてます。」はっきりした口調で答える。


半信半疑ではあったが、、この様子なら大丈夫かも?と思い、先ずはペットの話を聞いてみた。


「亡くなったトイプードルのお名前は何で言うんですか?」


「チコです、、 とっても可愛くて、、。」そう言うや否や涙ぐんで俯く。


「家族ですからね、、チコちゃん、名前も可愛い。」


っとそこで、『えっ?チコ、、もしかしてこの名前、、?』私はさっき引いたカードの一枚を思い出した。


彼女を見ると、ハンカチを軽く口に当て鼻を啜り上げ涙をこぼしている。


「 ごめんなさいね、泣かせてしまって、、。」


「いえ、いいんです。チコはもう帰ってこないのは分かっているので、、でも、でも、、」


「泣いていいんですよ、、涙があなたの悲しみを癒してくれますからね!」


暫く彼女はそのまま泣き続けた。やはり直ぐに話を聞くのは無理の様である。私はただ何も言わず待つことにした。っと、、その時、


急に彼女の後ろに立っている女性の姿がぼんやりと見えた。もしかして、この人が【ちこさん】かしら?と思った時、すぅ~っと、、その女性は消えてしまった。私は話しかけるタイミングを図りながら、先程の5枚のOSHO禅タロットカードを頭の中に並べてみた。


①(ペットを失った )今現在

           【 水(感情) 7 投影 】

これは彼女自身とペットを通して見ているもう一人の彼女を表している。姉妹、もしかして双子か? 元来存在していた愛情が悲しみへと移っていった。


②過去の(本来の悲しみ)の環境  

           【 雲(心、思考) 6 重荷】

愛があればあるほど重荷が増える。それに押しつぶされそうになっている。


③過去の影響

           【 雲     2  精神分裂症(但し彼女の場合では、何処にも行き場が無くて囚われているの意味)】

過去のトラウマが原因で、彼女自身がその場所に留まっていたいと願い、過去に生きている。


④過去の本質

           【 水     10  ハーモニー】

彼女が投影したもう一人の女性は彼女の中に生きている。そして彼女と共に幸せを感じる事を強く望んでいるが、、彼女はそれを拒んでいる。そのせいで今を生きる事が出来ない。


⑤未来

           【 水    2   親しさ】

周りに存在する多くの愛を受け入れる。そしてそこから自分を見つめ直す事で、本来の自分に気付く。そこから常に自分が見守られている事に感謝するのだ。


何となく私には彼女の悲しみの本質が見えた気がした。


その時、、


「あの、お話聞いて貰えますか?」っと、彼女は涙をぬぐって静かに話を始めた。


                            続く

                            



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