表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/33

OSHO禅タロットカード~~その4

彼女は、驚愕の表情で私を見つめた。しかしその中にはむしろ怯えがあるようにも私には見て取れた。が、それはほんの少しの時間である。


「 一体お客様は何がおっしゃりたいのですか?」直ぐに、憤りを露にする様に言葉を投げかけてきた。


私は、どう説明したら一番分かって貰えるかを考えながら慎重に言葉を選んで話し始めた。


「あの、驚かせてしまって、、ごめんなさい。あなたに信じていただけるかどうか分かりませんが、でも私、、実は人の心の中が見えるんです。」


「な、何を言ってるんですか?そんな訳の分からない事、いきなり言われても、、」


「そうですよね、見ず知らずの私に『あなたは今、心の中で泣いています』と言われても、それをそうだと受け入れるのは難しいと思います。でも、今 とても悲しんでいらっしゃる、それは間違いありませんよね?」


「 そ、それは、、でも、どうして、、?」


この時、彼女の声が悲鳴の様に聞こえた。


そしてそのまま、彼女は黙ってしまった。今度は俯いたまま顔を上げようとはしない。少し震えている様に見える。


「あなたの悲しみ全部を取り除く事は、正直難しいと思いますが、楽にするお手伝いは出来ます!」


私がはっきり言い切ると、彼女は顔をあげた。そしてその目はうるんでいた。


「先週、買っていたペットのトイプードルが死んでから、、それからずっと、毎日が辛くて、、。」


「そうなんですね、、。」  


私は一応肯定しながらも、多分彼女の言ったペットの死はきっかけであって、本当の悲しみは心の奥底にある他の何かが原因だと直感で悟った。

が、しかし、彼女がそれを自ら言わない限り、私の方から言い出す事は出来ない。


「私で良ければお話聞かせてください。きっと楽になれると思いますよ。」


すると彼女は少し考えてから、


「勤務は明日朝までなのですが、もう少しで1時間の休憩を貰えます。その時に少し話を聞いて頂いても良いですか?」


「勿論です。それではそれまで私の部屋であなたを待っています。必ず来てくださいね!」


「本来なら規則違反になりますが、、今回は特別に許可を得ます。そして時間になりましたら直ぐにお部屋へ伺います。どうぞ宜しくお願いします。」


そう言うと彼女は私に深くお辞儀をし、気を取り直す様に、2回ほど深呼吸した。そしてまた勤務を続けるため、フロント台上のパソコンに向かった。


私は軽く会釈を返すと、そのまま部屋に戻り彼女の訪問を待つことにした。


一体何が彼女をあれ程深く悲しませているのだろうか? 先ず彼女の話を聞いて、それからOSHO禅タロットカードに聞いてみようと思った。



                         続く



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ