タロットカード~現世での関り~(恩返し 2)
皆それぞれに軽く朝食を取り、ざっと館内の掃除を済ませてから、改めて奥の部屋で顔を揃えた。
「俄かには信じられないと思います。私自身でさえ、それを事実とお伝えするには戸惑いがあります。でも一通り最後まで聞いて頂けますか?」そう前置きをして、私の旅の話を始めた。
(第22話 前世の関り~第7話 光と闇の中で 参照)
一通り話を終えると、私は少し心が軽くなった。ただ皆の反応はそれぞれに複雑の様で、特に隆哉さんの父親はかなり不機嫌で苦々しい表情のまま黙っている。母親はむしろ動揺している様子で、両手を落ち着きなく動かしている。私は二人の様子を見て、この後前世と現世の繋がりを説明をしても良いものかどうか迷ってしまっていた。すると隆哉さんが、
「栞さん、あなたの話を全て信じる事は直ぐには難しいのですが、、でも僕はそのあなたの旅、きっと僕達家族そして凛子に何か大切な関りがあると思いたいんです。あなたがあんなに苦しんで見てきた世界なのですから。違いますか?」
私はその言葉に救われた。
「そうです、あります。勿論あるんです。今皆様が悩んでいらっしゃる原因の元がそこにあるんです。少し長くなりますが、それらの説明してもよろしいですか?」
隆哉さんはすかさず「お願いします。」と言った。父親は変わらずそのまま黙っている。私は母親の方を見ると、、
「そうですね、、聞くのが、、怖い、気もしますが、、、それでも、、聞いて、みたいです。」言葉に詰まりながらゆっくりと言った。
「では、少し長くなりますが、順序だててお話します。」そう言って静かに言い始めた。
「初めにお母さまの話をさせていただきますね。ふた通りの前世を見てきました。最初は残念ながら生まれずに亡くなった、『静さん』の娘さんです。そしてその後生まれ変わり、武家の娘として将軍の側室『お和の方』となります。そして娘さんをさずかり穏やかに生涯を終えました。ただ、、その前に関わった静さんの父親、この方が酒乱で暴力を振るう夫だったんです。亡くなる間際には妻、静さんの母親を労わる配慮を見せてはいましたが、普段の生活は相当な物でした。静さんは不幸にも一緒に亡くなった母親の辛さ無念を引き継いだまま生まれ変わりました。ですからその父親を到底許す事は出来なかったのです。何故かお和の方にはそれが現れず、残念な事に、今、お母さまの心の中に現れていまって、、それが悩みの根源です。そして、、その父親が、、」私は少し躊躇い言葉を切った。「凛子さんのお父さんの前世の姿なんです。」
母親はそこではっと息をのみ、、「そ、そんな事が、、。」と言ってその場を去ってしまった。
「女将さん、、。」
私は分かっていた事とは言え、彼女の気持ちを考えると胸が痛んだ。
それでも隆哉さんに了解を得てそのまま話を続けた。
もう少しで全ての関りが明らかになります。お楽しみに!




