インナーチャイルドタロットカード~その3
一体どんな拘りがあったのでしょうか?
そう、私は彼女に呼ばれた。それで今此処にいる、、それは理解したが、でも、まだその理由は分からない。
「 あの~私ママさんと会ったことありましたか?」
私が戸惑っているのを、まるで楽しむかのように、優しく微笑む。
『 そう、この微笑み、確か何処かで、、そしてこの珈琲も多分、、。』
「 ゆっくり思い出してしてくださいね、その前に~さぁ召し上がれ!」
彼女はそう言うと、私の目の前に~出来立てのモーニングプレートを置いた。
こんがり焼けたトースト、新鮮な野菜山盛りサラダ、そして柔らかい湯気に包まれた出来立てのスクランブルエッグ、ヨーグルトの上には手作りらしき苺ジャム、、。
「わぁ~美味しいそう~!」
思い出せない事が気にならない訳ではないのだが、、空腹には勝てない。先にモーニングを頂くことにした。
そんな私の様子を眺めながら~またあの優しい微笑みをたたえながら~
「珈琲はお代わりしてくださいね」とポットを置く。
あまりにも自然な彼女な態度に、私は更に戸惑ってしまう。
そしてそうしているうちに、モーニングをすっかり平らげ、お代わりの珈琲を飲んだ時、やっと、、この味、これと全く同じ味を思い出した!
まだ私が小学生の頃、以前住んでいた家の向かい側に新しい珈琲ショップが出来た。そしてその開店の日、今は亡き母に連れられて珈琲を飲みに行ったのだった。
「お父さんには内緒よ」っと笑いながら指切りげんまんをしたのを覚えている。当時から私は珈琲が大好きだった。でも父は、小学生の私が珈琲を飲む事を認めてくれなかったので、家で堂々と飲む事は無かった。
だからこの日は特別嬉しい日になった。
その日の特別な珈琲の味と、この珈琲は全く同じ味なのである。
「あの時の珈琲ですよね?」
私は懐かしさで胸が締め付けられる様な気がした。
「やっと思い出してくれましたね。」
「でもどうして、、此処に? 40年以上やってらっしゃるって、、。」
「不思議でしょう~? どうしてかしら!」
まるで私を揶揄って楽しんでいる様にも見える。
「あの時のお店にいらっしゃったんですか?」
「いいえ、。あなたにも不思議な力がある様に、私にもありますから。」
「相手の心を読む以外にも?」
と、ここではっきりとあの時のお店のママさんを思い出した。
たった一度しか会っていない、しかも私はまだ小学生だったけれど、今私の目の前にいる彼女は、まさにあの時のママさんであった。
『 そ、そんな、、いくらなんでも、あの時のままだなんで、、。』
「ですから先程申し上げたじゃありませんか、私にも不思議な力があると。」
そう言ってまた微笑む。
『 理解したいけど、、出来ない、、。』
「いいんですよ、無理に理解なさらなくても、」
私は心で思うだけ、それで彼女と会話になる。
「あなたのインナーチャイルドタロットカードに聞いてごらんなさい、私の事?きっと教えてくれますよ!」
『 成程、言われてみれば、、。』
私は軽く頷くとカバンからカードを取り出した。そしてあの特別な日のあの珈琲を思い出しながら~シャッフルした。
自分との関りを知るための11枚のカードを並べる。
私を意味する真ん中~【 大アルカナ21 地球の子供 】
その隣は~【 大アルカナ14守護天使~母の象徴 】
そして反対側には~【 翼を持つハートのガーディアン 】
周りには、【翼を持つハートの3】 【クリスタル3】 【ソード3】
そして 【ワンド3】
そう~全てが3
「そうだったんですね、貴方は私のおばあ様!!! 」
「カードがそう言うなら間違いないでしょ!」
『 でも、祖母は私が生まれる前に亡くなっていた筈では? ではここにいるのは?? 』
「あなたに会いたい時にはこうして会いにくるのですよ。」
「 えっ!? ではあの時も??」
「無理はないですね、あなたのお母さんは何も言わないまま亡くなりましたもの、、。そう、あのお店も此処も、他の人には見えませんのよ、あなたとあなたのお母さんにだけ。。」
そう言うと私の目を真正面から見つめて、、
「今回の旅はあなたに大切な事を教えてくれます。気を付けて行くんですよ!」
「はい! おばあ様、またあえますよね?」
「さぁ~どうかしら?」
くすっと笑うとそのまま、その姿はすぅ~っと見えなくなった。
そして一瞬の瞬きの後、私は愛車のドア横にいた。
勿論赤い屋根の喫茶店も消えていたのである。
心が満たされた~不思議で素敵な出来事でした。
そして私の旅はまだまだ続きます。
お楽しみいただけましたか?
次作~OSHO禅タロットカード編も続けてお読みいただけると幸いです。