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タロットカードの旅~前世の関り 

私は何も分からないままに、ただ立ち尽くしていた。どの位そうしていたであろうか? っとその時一人の女性が田圃の中へ倒れ込んでいくのが見えた。どうやら、先程お姑さんに叱られていた嫁の様である。私も何か出来るかもしれないと、思い切って声を掛けてみた。

「大丈夫ですか? お手伝いしましょうか?」

だが、誰も私の方を振り返らず、勿論返事が返ってくることも無かった。けれど、このまま立っていても仕方が無いので、数人が集まっている中へ入っていった。


「この役立たずは、ろくな仕事もしねぇーで田圃ん中で寝てんじゃねぇ。」

  

   「おっかぁ、そりゃぁあんまりだ。疲れて倒れたんだぞ。」


「お前がそうやって甘やかすから、こいつは怠けてばかりいるんだ。ほれ、さっさと起きて苗植えろ!」 そう言うと、倒れている嫁を足で蹴り上げた。


私はそれを見て驚きのあまり声も出なかった。「何するんですか!」思わずそう叫ぶと慌ててそのまま嫁を抱き起そうとした。だがどうしたことか、彼女の肩に入れた筈の私の両手はそのまま体をすり抜けてしまった。えっ、どうして、、これは一体どういう、もしかして私の体には実体が無い?信じられなくてもう一度試してみたが、結果は同じ事であった。それで初めて気付いた、私は他の人からは見えないという事に。だから声を掛けても誰も気付かなかった筈である。そうであるなら私が出来る事は何も無いのだ。それにも拘らず、それでは何故此処にいるのか?


その時誰かが叫んだ。「やめれー、死んじまうでねぇか。」


「何言うだ。仕事にもなんねぇー、子供も産めねぇー、そんな嫁は嫁じゃねぇ。」


「カネさんよぉ、いくら何でもそれはねぇべさ。」



そんな話が交わされている中、流石に母親のあまりの仕打ちを見かねたのか、


「俺が医者さ連れてくさ。」そう言いながら妻を抱き起すとそのまま背中にしょうと歩き出した。」


その背中に向けて、「おめぇー、うちにはそんな金ねぇぞ。」姑が怒鳴る。


それを見ていて、私は背筋が寒くなった。何と言う人であろうか。だが今はそれより彼女の状態が気になる。それでそのまま夫の後を付いて行った。するととその時である。背中に負ぶわれている彼女から光が、えっ、これはもしかして。多分そうであろう、彼女の中に新しい命が宿っているのだと思った。でも今の私では何も出来ない、ただ二人の無事を祈るのみだった。










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