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OSHO禅タロットカード〜旅館編 彼の話

暫く時間を頂いていましたが、これからまた栞の旅の話を続けたいと思います。

彼女が戻ってきた。

「 彼が迎えにくるそうです。旅館がこの先少し奥まった場所にあり、道幅も狭いので、その方が安心です。」そう言いながら、嬉しそうにする。

彼に会えるのが純粋に楽しいのであろう。


「お手数かけます。」私がそう言うと、

「とんでもない、こちらこそ面倒な事お願いして済みません。」彼女が目を伏せながら言った。

「いいえ、これもきっと何かのご縁だと思っています。それにもしかしたら、何の役にも立たないかもしれないし。」

「そんな、彼のご両親に合っていただくだけでも、私は気持ちが楽になります。もし、話が聞けなかったとしても、それはそれで構いません。ただ、、誰かに私の気持ちを分かって貰いたいだけなんだと思います。」

そう言うと彼女はまた「宜しくお願いします。」と丁寧にお辞儀をした。

私も軽く会釈を返し、「私に出来る事を私なりにやってみますね!」神妙な顔をしている彼女に微笑むと、少し安心した様に見えた。


そしてそれから30分位経ったであろうか、お店の入り口に彼らしき男性の姿が見えた。


「このまま車に乗ってください、彼も今は私の両親に会い辛いと思うので、、。」

彼女に促されて私はそのままお店を出た。

そして彼に軽くお辞儀をして、そのまま車に乗り込んだ。


彼女たち二人は、言葉を交わさず、それでもお互いの気持ちをきちんと確かめ合う様に、目と目を見つめ合い、頷き合う。

動き出した車の中から彼女に手を振ると、彼女もまた大きく手を振り返してきた。

そしてその後も彼女は手を振り続けていた。

「自分の気持ちを分かって欲しいだけ」と言いながらも、そういう彼女の様子で、私に期待してる事の大きさが良く分かる。私は彼女に何か納得のいく答えを見つけてあげたかった。

私はこの時、自分の持つ可能性をフルに使い神経を集中させて、彼のご両親の本当の気持ちを掴もうと心に決めた。


「初めまして、星野隆哉と言います。彼女から簡単に話は聞きましたが、、貴方には何か特別な力があるとか?」

私は笑いながら、「初めまして、私は水野栞と申します。あの、そんな特別と言うわけではありませんが、、時々人の感情が伝わって来たり、これから起こるであろう何か予感めいたものを感じたりとか、その程度です。今回も何かのお役に立てれば良いのですが。」私がそう言うと、

「彼女、今とても心細いらしく、貴方と話してとても落ち着いたと言ってました。」

「そうですか、先程会ったばかりですが、私も何か不思議な気持ちを持ちまして、、ですから、出来る事なら力になりたいと思っています。」


「有難うございます、助かります。両親には、『僕の友人の紹介で泊まっていただく事になった』とだけ言ってありますので、その様にお願いします。」

「分かりました。」


車はどんどん山間を抜けて奥へと入っていく。周りの景色は木々の鮮やかな緑で彩られ、まるで私を別世界へと引き込んでいくかの様に存在している。


「何も無い処なんですが、鉱泉が湧いていて、それを目当てにリピーターのお客様が多く、何とか成り立っています。」

「そういうの素敵ですね!」私がそう言うと、ちょっと照れた様に笑う。

少しお互いの気持ちが解れたところで、私は彼の彼女との結婚についての考えを聞いてみようと思った。


「あの、いきなりで少し不躾ですけど、、あなたの彼女に対する正直な気持ちを聞かせていただけますか?

旅館に着いてしまうと、2人で彼女の話はちょっとし辛いかと思いまして。」

私がそう言うと、彼はちょっとだけ戸惑った様子を見せた。「彼にも何かあるんだ」と私は直感的に思った。


「そうですね、予め聞いていただいた方が良いですよね。」そう前置きをして彼は話を始めた。


「実は、、」


これから彼の本音にふれることになるのであった。



彼の話、両親の話、今後の展開に期待してくださいね!

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