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OSHO禅タロットカード~~ カフェにて3

彼女は静かに話し出した。

「私は今まで、何の不自由もなく、とても幸せに暮らしてきました。両親には愛されて育ちましたし、仕事も充実しています。それが最近、結婚の話が出てから、何故か色々と、、先ず、彼との事お話しますね。」


私は頷きながら黙って話を聞く。


「1年前の事です。友人5人でハイキングに行った時、山頂で偶然、彼に出会いました。彼もグループで来ていて、、山頂に着いた時って、凄く達成感があって、気持ちも開放的になるんです。ですから、別々に来た者同士でも、お互い声を掛け合って労ったりするんです。私達、たまたま同世代という事もあって、自然に『お疲れ様』と言い合い 、そして一緒に珈琲を沸かして飲んだんです。それがきっかけとなり、付き会うようになりました。その後、お互いの両親に紹介したら、どちらも喜んでくれていました。」


そこまで話すと彼女は深いため息をついた。私はそれまで同様、ただ頷くだけにし、その先も彼女が話すままに委ねた。


「先月の事です。彼から『そろそろ結婚しないか?』と、プロポーズされて、私は直ぐにでも結婚式を挙げたいと思いました。それで両親に話したら、その時はすごく喜んでくれて、、だから彼のご両親も多分そうではないかと思ったのですが、、。」

そう言って彼女は少し顔を歪めた。

「彼がご両親に結婚の話をすると、何故か二人で顔を見合わせ、結婚は許可出来ないと仰ったそうです。」


ここで初めて私は口を挟んだ。

「それについて彼は何と?」


「ただ『俺を信じて欲しい』とだけ言って、説明はしてくれませんでした。それで不安になり、私の両親に相談してみたんです。そうしたら、最初あんなに喜んでくれたのに、『結婚は考え直した方が良いのかもしれない』って、、。あの、最初に言いませんでしたけれど、実は私養女なんです。2歳の時から今の両親に育てられたそうです。勿論私は覚えていませんが、、。その時から今まで、ずっと幸せでした。両親はとても私を大切にしてくれましたし、、心から感謝しています。実の両親の事は何も知りません。ですから今の両親を本当の親だと思っています。今までも、そしてこれからも。だから、ちゃんと祝福されて結婚したいと思っているんです。彼の事は大好きですが、このまま、彼のご両親に反対されたままでは無理ですし、、そんな風に色々考えていたら、どうしたら良いのか分からなくなってしまって、、一体どうしたら、、。」


私の頭に、先程のOSHO禅タロットカードが浮かんだ。『確かに、両親が重荷になる、どちらかを選ばなければならないかもしれない、とのメッセージだったが、カードの言う【両親】とは、彼の両親?それともやはり彼女の?でも、反対の理由は一体何だろうか?もしかしたら、それに至る何か彼女の知らない別の秘密があるのかもしれない。』

私は混乱してしまった。それで、ここはやはり次のカードを引くしかないと思った。カードの意味に疑問を感じたら、やはりカードにその答えを聞くべきだからである。

「正直に言うと、私も少し戸惑っています。あなたが良ければ、ここで次のカードからのアドバイス一緒に聞いてみませんか?」

すると彼女は、「お願いします」と静かに答えた。


私は軽くシャッフルし直した。そして4枚を慎重に選んだ。



                              4へ続く

彼女には何か秘密があるのでしょうか?

もしあるのなら、それは一体?

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