41話 『物』語る
細かい字でびっしりと書かれた計画書。全てのページに今回の事件の綿密な計画が記されていた。
作戦の大筋に、枝分かれした第二、第三の作戦。失敗した時の次の計画。妨害しそうな人物や注意が必要な対象の詳細な情報。
勉強していなくてもこんなに頭が回るとは感心だ。善意であればもっと感心した。
「他に何かないかな······っと」
他の畳をひっくり返して手がかりを探す。計画書が隠されていた畳の隣、他のものに比べて少しだけ重みが違った。床には何も無い。
······なら畳か。
畳を念入りに調べる。
縫合箇所にほつれがあるくらいだった。しかし、隙間に何かが詰まっている。
「悪いな。切るぞ」
近くにあったハサミで畳を少し切った。後で戻せた時を考えて手で畳を解体する。い草を剥がすと、中は箱になっていた。
沢山のノートや紙束。
ちょっと拝見すると、表から裏まであらゆる社会の情報が詰まっていた。他人のちょっとした秘密から国家機密まである。
──どうやったらこんな情報を手に入れられるんだ。
紙束の中に見慣れた顔写真があった。真っ赤な髪の、睨みつけるような顔が隼を釘付けにする。
──薫だ。
その下には自分の写真もある。少秘警の記録が綴られたそれを見ないように、風刃で粉々に切り裂いた。
「見ないのが礼儀だよな」
桜木が隼たちを選んだことは確実だ。ならばどうしてこんな事件を起こしたのかを、ここから探し出さねば。
痕跡は山ほどある。後はよく観察して推理するだけ。
手袋をはめて二〜三回深呼吸をした。
「この事件終わったら警護課に戻るからな」
計画書を脇に抱えて指を鳴らした。
──ちょっと痛かった。




