表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年秘密警察の日常  作者: 家宇治克
アリス狂乱茶会事件
1/109

1話 夕暮れ時の部屋

 ──良い夕焼けだ。


 空はあかく染まり、雲までもが色づく。······絶景だ。

 白かった部屋も、今は夕焼けで真紅の世界へと変化している。

 風谷隼(かぜたにはやぶさ)は、部屋にある唯一の窓から沈みゆく日を眺めていた。そんな絶景から目を離し、おもむろに自分を確認する。

 青い髪、赤い球状のイヤリングとそれに付いている葉のモチーフの飾り。

 ブレザーと警察の制服を混ぜたような服、ポケットに入っている携帯電話から財布、あらゆるものを確認した。


 ……何も取られていない。


 深いため息をついた。

「どうしてこんなことに···」

 開口早々にやらかした発言。

 落ち込む隼の耳に入ったのは少年の明るい声だった。

「仕方ねぇだろ~。諦めろよ」

 炎のように赤い髪、鋭い目つき、風谷と同じ服を着崩してガムを噛む。

 火里薫(ひざとかおる)は部屋の奥でニヤッと笑っていた。

「···お前、楽しそうだな」

「いやぁ~、ちょっとな。しっかしどうしたもんかな」

「薫が油断するからだろ」

「隼こそ、『油断大敵だ』って言ってたくせに、油断してたじゃん」

 反論のすべを失い、再び窓の外に目を向ける。


 今の状況は大変で、···いや、

 大変というほど大変ではないのだが······




 ──監禁されている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ