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第2話【歌と踊り】

 真夏の神社のお祭り2日目。前夜はスーパーボール釣り屋にまったく客がこなかったため、丸ノ内は2日目の朝から客を集める作戦を練り続けた。しばらくして丸ノ内は【自分たちの店にも歌や踊りが必要だ】という答えにたどり着いた。


 

 そして丸ノ内は自分たちの店のテーマソングを考案した。それは次のようなものだった。


 

 スッパスパスパスッパボー♪ぴょんぴょんはねるぜスッパボー♪


 スッパスパスパスッパボー♪日本でも流行るぜスッパボー♪


 

 これを丸ノ内がタンバリンをたたき、熊井が踊りながらうたい続けるのだ。


 

 作戦はきまった━━かくしてむかえた夜の神社。丸ノ内と熊井は昼の練習どおりに全身全霊を込めてうたい、踊り狂った。リストラされて路頭に迷った自分たちの明日のために……。


 

 しかし━━それでもスーパーボール釣り屋に客はつかず、前夜同様にすぐ隣のワタアメ屋とタコヤキ屋に客はすべて持っていかれてしまった。


 

 ……2日目のお祭り終了後、丸ノ内と熊井のふたりはワタアメとタコヤキを食べながら反省会を開いた。


 

 「おい熊井、オレたちはあれだけ練習したのに、なんでスーパーボール釣りに客がこねーんだろうか?」


 

 そう訊く丸ノ内に熊井はうつろな表情で答えた。


 

 「……んなこと、オレにだってわかんねーっすよ」


 

 「歌詞がダメだったんだろうか?メロディーがダメだったんだろうか?」


 

 「いや、オレが感じる限り、歌詞とメロディーは完璧だったはずっす」


 

 「そうか……」腕を組んでうなずく丸ノ内。「じゃあ、最終日の明日は、オレはタンバリンではなくバンジョーを弾きながらうたうことにする」


 

 「そんじゃオレは、スーパーボールらしいキラキラの衣装をまとって踊ることにするっす」


 

 ……3日目の朝。丸ノ内と熊井はさっそくリハーサルを開始した。

 

 

 どこで手に入れたのかバンジョーをかき鳴らしながらうたう丸ノ内。そのリズムに合わせて踊り狂う熊井━━果たして真夏のお祭り最終日、彼らに勝利の女神は微笑むのか?

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