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志村恭介編 ニ尾城
「ふ・・だからこそ、今度は本当に博士も危なくなるだろうし、容易には今度は発掘等出来ないだろう」
「とてつも無いものが今度こそ発掘されるだろうと言う事ですね?しかし・・この紅水晶が贋物とは思えないんですがねえ・・山田村長の言葉にも嘘は無かったようですし」
「俺にもそれは分からない」
志村は、都屋新館をこれ以上はもう無意味と後にし、斎阿覚寺に戻った。品川が待っていた。
「先生、これからどうされるのですか?」
「君は、大学へ戻れ」
品川が眼を丸くした。
「じょ・・冗談でしょう、先生、これから南尾城の発掘が待っている」
「冗談では無い。しばらくは動けない状況になった。君はこれから、島根大学の光原の所へ身を寄せるが良い。紹介状も書いて置く。どうせ、T大学には籍はもう無い筈だ。教授には岸上が選ばれたそうだし、俺も多分T大学へは戻れないだろうし」
「そんな!そんな先生!」
品川が泣きそうな顔で、志村を見た。




