志村恭介編 ニ尾城
高村も品川も、何を急に志村が言うんだと言う顔をしている。真世が少し戸惑いながら、
「・・はい。幼少の頃から良く見る夢がその赤い光でした。二尾城の天守閣から一条の光、そしてもう1つは四国の山頂から二尾城に向けて一条が。それに・・このネックレスは実は代々伝わっていると言う事でしたが、脇坂博士が西方城より発掘されて、私に渡された物です。口外無用の約束でした」
志村の眼が光った。
「先輩・・やっぱりだ・・まだ嘘をついていましたね?では、先輩はどうして、この紅水晶の秘密を知って居られたんです?重大な事ですよ、この点は」
「あ・・ああ・・実はそのペンダントの発見は俺なんだ。それは真世ちゃんが予言していた場所で・・」
「やっぱり・・すると、ある組織なり、者なりが動いているとするなら、このペンダントに秘密があるのでしょう。夢物語では語り尽くせぬ事が多すぎる。先輩はその後身の周りで起きるた次々の出来事に恐れを無し、調査から降りられた。その理由をもう少し詳しく聞かせて下さい」
「・・ああ・・お前と言う奴は敵に回すと、とんでも無く恐い奴だ。最初から俺はこの調査になんか加担していなかった。真世ちゃんの、数奇な運命に翻弄されて生きるその姿を見て、純粋に応援したかっただけなんだよ」




