90/1226
志村恭介編 ニ尾城
「それで、今は養女になっていると」
「そうだ」
「では・・その紅水晶ペンダントで、私の紅水晶を切って貰いましょうか?」
突然志村が言い出した。
「馬鹿な・・何を言い出すんだ。同じ硬度の物なら切れる筈が無い、互いの水晶に傷がつくだろう」
「そうでしょうか?果たして・・」
「先生!貴重なサンプルですし、そのペンダントに傷がつくような事があっては」
黙って聞いていた品川が、志村にそう言った。
「君は黙っていたまえ」
志村が少しきつい調子で、品川に言った。少し驚いた顔になって品川が下を俯いた。志村の眼は高村を凝視したままだ。志村がカバンから自分の紅水晶を取り出した。
「良いですか?この紅水晶は地球上に無い物質の筈ですよね?この紅水晶より硬い物質は地球上には存在しない――と。では?この紅水晶はどうやって加工されたのでしょうか?」




