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志村恭介編 ニ尾城
「俺はな、恐かったんだよ。西方城で実際出土したものを見て。これは、とてつも無い事に俺は首を突っ込んでいるんじゃ無いかって思ってな。この娘の両親は5つの時、不幸にも交通事故で他界されたが、岸田と言うお手伝いさんがこの娘さんの家に働きに来て半年位の事だった。丁度それは脇坂博士と俺が、西方城の事でこの地に出くわした時だった。古書を発見したのは、丁度斎阿覚寺に我々が立ち寄った時の事。そこでお手伝いさんと遊んでいた当時5つのこの娘が言うんだ。この寺の裏手にあるお堂の中に古い本があるよって」
「・・・君も?真世ちゃん」
志村が言うと、
「えっ?」
真世が聞き返した。




