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志村恭介編 ニ尾城
数日経って、志村達が突然高村の旅館に呼ばれた。
何とそこには、斎阿覚師の養女、真世が同席していた。・・罪な事を高村先輩はする・・志村はそう思った。品川が真世に強く好意を寄せている事など高村が知る由も無いが、偶然が必然に変化する事は世の常でもある。
「志村、実は一昨日脇坂博士より連絡があって、その時志村の会話の事を話したら、この娘を君達に会わせてやってくれと言う事で、今日はここへ呼んだ。聞けば、君達も既に面識があると言う事だし、斎阿覚師の所へお世話になっているから、もはやこれ以上俺も隠し通す事は困難だからな」
「やはり・・先輩の言葉に、何か不自然はものを感じていました」
品川が真世をちらちら見ながら、気もそぞろの様子であった。健康的な若い青年にとって、抜けるような白い肌、長い黒い髪の美少女である。当然の感情かも知れない。志村が続けて高村に聞く。
「さて・・何で、こんな手の込んだ事をするのです?脇坂博士は別としても、もう新たな生活に入っている筈の高村先輩までもが」
「お前達が余りにも急速に、西方城から次のステップまで嗅ぎ付けているからだ」




