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志村恭介編 ニ尾城
「どうした?志村・・こんな朝早くに」
「高村先輩、少しお話したい事があります、近くの公園まで時間を貰えますか?」
「あ・・ああ・・」
近くの公園のベンチに座って、志村は小さなメモを高村に渡した。
「これは・・?」
「高村先輩・・何か隠されていますね?脇坂博士との事ですか?それとも・・?」
「何を隠す必要があろう・・俺は、今の生活を選んだ男だ」
高村は少し動揺したような顔になったが、そう答えた。
「先輩、先日のエクロジャイトですけど、どうして今まで黙って居られました?」
「黙ってなんか居ないさ。お前が見つけたんだろう?」
「先輩も当時脇坂博士と発見してる筈ですよね?違いますか?西方城で」
志村はじっと高村を見た。澄んだ瞳だった。高村は少し眉間に皺を寄せた。




