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志村恭介編 古城
「他にも、使用目的があった筈ですよね?博士。それで無ければ、これ程大量の岩脈を利用出来ませんね・・」
「もう、無い、それだけじゃ」
「ほお・・そうですか?私にはあると見ましたが、西方城では」
驚いたように脇坂は志村見た。澄んだ瞳だった。脇坂は少し伏せ目がちに、
「ふ・・わしにお前さん程の若さがあったらのう。実に情けないわ。で?お前はどこまで知って居るのだ・学界の未だ誰もが発見していないその理由を」
逆に志村が聞かれていた。
「・・高村先輩はその後・・?」
全く脈路の無い話に転じる志村に、品川は首を傾げた。




