表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SF白い雲  作者: 白木
5/1226

志村恭介編 古城

 憤慨しながら由利は溜息をついていた。こんな調子では結婚なんて先の話だ・・と、幾らのんびり屋の由利とても、待ちくたびれ気味であった。

 近くのホテルに入ると、恭介を強引にシャワー室へ押し込んだ。彼の服を片付けながら、ボストンバックの中から見えている本のコピーらしい物を由利は取り出して読み始めた。そこには、朱色で塗られた蛍光ペンの箇所がびっしり細かいメモと共に、注釈が書かれてあった。国文学を専攻した由利にとっても難解な物であったが、幾つもの驚くべき事がその中にあるのを見て、顔面が蒼白になった。


「ゆ・・由利!それは駄目だ!」


 シャワー室から出てきた恭介が叫んだ。大股で近寄り、コピーを由利から引きちぎるように取った。


「教えて!恭介、それは一体?」

 

 しかし、眉間に皺を寄せたまま、それには返答しない恭介だった。


「恐い・・今日の恭介さん、別人のよう」


 はっと気づいたように、恭介は常時持ち歩いているボストンバックにコピーをしまい込んだ。振り向いた恭介の顔は、いつもの顔に戻っていて、由利の肩を抱こうとした。しかし、由利はするりと身を交わすと、


「駄目・・今日は。でも、1つだけ聞かせて?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ