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SF白い雲  作者: 白木
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志村恭介編 古城

「ああ・・しかし、かなり経ってからの事。わしが香津子さんに気があったのは確かだし、あの時、助けの大声を出さんなだら、死ぬ事も無かったのでは・・そうも思うた。それよりも素っ裸であの先生は夜中に山を歩いとる、気持ち悪いのう・・ゆうて村人の噂になっとったと言う事も、わし自身は全く知らなんだ。こりゃあ、きっといつかはこう言う事起きるぞも皆が思うとったのよ」


 まさか、脇坂の過去がこんな場所で明らかにされるとは思わなかったが、何か常人外れた奇異な行動と直結しているような、志村はそんな気がした。一生独身で居るのもこう言う事が一因であろう・・と。


「3ヶ月位は警察を行ったり来たりで、やっとわしの疑いも晴れて、指摘どおり3人の鉱夫達が捕まったが、奴等とて人殺しが目的では無く、すぐ釈放されたんじゃ。当時は女の地位など低い時代でのう、これが同意の上では無いかと言われれば、死人に口無し。しかし、わしは死んで操を守ろうとした香津子さんが余りにも憐れでならんのじゃ」

「確かに・・当時はそう言う時代だったのでしょうね」


 しんみりとして品川も言った。

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