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志村恭介編 古城
今度は、志村が頭をぽりぽりしながら聞いた。2、3日風呂に入っていないので、体中が痒いのだ。
「無論そうじゃ。そのお陰でこの年になる今まで風邪をひいた事がないわい」
「でも・・・そんな素っ裸で歩いていたら警察に捕まるでしょう?猥褻物陳列罪とか何とかで・・」
見たくも無いよと、眉間に皺を寄せて嫌な顔をしながら品川が言う。
「ふ・・品川君よ。お主は物事を画一にしか見ん男のようじゃ。ええか、考古学は推理ゲームと一緒じゃ。そんな常識的な言葉を吐いとるようじゃ、考古学には向いとらんな。次の就職先を探した方がええのう」
脇坂は案外この品川を気に入ってるのかも。志村は思った。当の品川は顔を赤くして怒っている。
「素っ裸で歩く変態と、考古学がどう結びつくんですか!全く・・ぶつ・・ぶつ・・」
コップ酒を煽りながら、品川の顔は益々赤くなった。志村が笑いながら、その話を切り替えた。




