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SF白い雲  作者: 白木
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志村恭介編 古城

 次の日、早朝に2人は下山した。一端山へ降りて、ふもとにある、宇摩郡土居町(現在四国中央市土居町)の歴史を探ろうと言う事になった。慌てる事も無い、まだたっぷり時間はあるのだし、この辺りの民話にも興味深い話があるかも知れないからだ。実際民話が、重大な歴史観を表現していた事は、良くある事だ。

 だが2日程宇摩郡土居町の歴史、民話等を調べたが、2人が重要とする糸口は何も見つからなかった。この辺りは遠浅の海が続き、アサリやハマグりが良く採れるのだそうだ。東側地区には、製紙工場が白い煙を吹き上げているが、のんびりした自然の風景と、近代的工場のアンバランスも感じる。そして、もう一度赤星山へ向かう為、必要とする食料品やロープ、ロウソクを買った店で、一人の老婆が、呟くように話す事を聞いて2人は驚愕した。


「あの、赤星っさんに登りなさるんか・・あの山はのう、昔、それは星の見えん真っ暗な晩にな、すーっと山の向こうが赤うなった思うたら、そらあ見る見る内に赤い光が差したんよ。その光がまるで御光見たいじゃゆうて、そんでな、赤い星、赤星ゆう名前になったんよ。離れて沖から見よったらそりゃあ、けっこな(綺麗なの意)山でのう、富士山見たいやきんど、そんでもあのお山は、若い衆でもなかなかえらい登りばっかりの山でな、しんどい、しんどいゆうて皆がもんて来る。登り始めたら、お山のてっぺんが見えん、ただただ息を切らしもって見えんてっぺんを目指して行かんといけん。あんたらも、まあ、気つけて行かんとのう」

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