組織が明らかに
S工大出身の者が中心なのは当然の事だろう・・志村は思った。
「皆さんの副隊長となられる方を人選させて頂きました。紹介しましょう。福岡大学物理学教授の合田博士です」
志村は、唖然となった。合田博士が?すると、志村メンバーに加わる以前より、彼は特科班の中心メンバーであったと言う事か?
合田が言った。
「志村君、君を騙していた格好になったが、それは敢えて君が我が特科班のリーダーとして相応しいかどうか見極める為でもあった。許して下さい」
「リーダー・・?私が・・何故・・?」
志村にはその意味が理解出来ない。鹿島が志村を壇上から手招きした。
「皆さん、では何故志村博士がこの特科班のリーダーに相応しい方か、証明して頂きます。パネルをご覧下さい。さあ、志村博士。南尾城の全容をご説明下さい」
10名の博士達が志村のパネル説明に注視した。彼等も又この席上において全く事前に何の説明も受けては居なかったからだ。只一人・・香月は前日清治よりの長文の手紙と、封筒を受け取っていた。驚愕な清治の予知が、現実の志村の発掘とどう結びつくのか・・と最大の興味を示していた。