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SF白い雲  作者: 白木
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志村恭介編 ニ尾城

「しかし・・その結果が、我々の周到な計画を全てご破算にし、品川君の思いも、帳消しにする事になってもですか・・。四国を追い出され、岡山からも締め出され、大学も追われた。それでも、やっとの思いで、ここまで発掘を進めて来たのに・・」


 脇坂が志村の前に姿を現す事が、どんな結果を生むか・・志村は息苦しい臨終の間際の脇坂にこの事を言わずには居れなかった。分かっていても、なお脇坂が何かを志村に伝えたかったと見える。・・その日夜半になって脇坂の命は旦夕に迫った。


「博士!しっかりして下さい!」


 志村と高村が叫んだ。涙声だった。


「さ・・さいご・・の・・す、すいしょう」


 差し出された折れる程の細くなった手に握られた紅水晶を志村が握った時、忽然と脇坂は逝った。

 呼べども虚し・・今世紀最大の発掘をした考古学者と言われた、老博士は戻らぬ人となった。遺体は斎阿覚寺で密葬されて、志村達は恐れ続けた何者かのマークに、脇坂との接点を持った事で、今後の行動に対して変更せざるを得なくなった。案の定、ゴルフコースは法規上の欠陥を指摘され、オープンが出来ぬまま工事を中断した。しかし、自治体すら動かすその組織とは・・?志村宅は直後荒らされ、身重の由利を実家へ帰した。一体、こんな事態すら予想出来た筈の脇坂が志村に何を託そうとしたのか、紅水晶を授ける為だけなのか。紅水晶が本物であったとしても、一歩も志村は動けない状況に追い込まれたのだった。

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