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SF白い雲  作者: 白木
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志村恭介編 ニ尾城

「繰り返すけど、兄の言葉だと思って聞いてくれよ、由利さん。男にはね、そりゃ結婚より大事な事もあるさ。でも、そこで待っててくれる彼女が居るから命も賭けれるのさ」

「だから・・だからって、一緒に夢を追えない立場に置かれた女はどうするの?」


 由利の目が潤んだ。涙声だった。


「だから、愛情とは信頼なんだろ?それがあるからこそ、兄貴は今、命を賭けている。由利さんにプロポーズしたくても出来ない自分を責めながらも」

「愛は共に悩み、生きる事だわ。一人で苦しむなんて、愛じゃない」

「それが男なんだよ。危険な事に兄は今首を突っ込んでいる気がする。俺には何にも言ってくれないが、兄弟なんだ。俺には分かる。由利さんを巻き込みたくないからだよ。守ろうとするのも男じゃないか」


 まるで、恭介がこの場に居るような錯覚を由利は覚えた。恵二は兄の心情を由利にぶつけていた。そしてそれは、恵二自身の由利に対する思いでもあった。会話の中で、恵二は由利が自分の身を引いてでも兄恭介の為に岸上と結婚しようとした事に、深く頭を下げていた。そして、由利の恭介に対する深い愛情も感じていた。

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