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志村恭介編 ニ尾城
「ああ、違う。俺は思った事は隠せないし、ズバリと言う。それが俺の長所であるとも思ってるから」
「で、さあ・・何で、そんな奴と?」
恵二は重ねて聞いた。由利程の女性が、岸上を選ぶとは全く思えないからだ。
「ふう・・本当に恵二さんには・・。恭介は、研究者として必ず認められる人なの。でも、今のままの大竹教授派閥では、恭介さんがT大学へ戻れる事なんて出来ないの。けど、岸上は言ったわ。自分の片腕として、志村君の優秀さは知っているから、呼び戻す事が出来るって。私が岸上と結婚する事になったのは、他にも色んな事情もあるけど、恭介さんにとってはT大学が必要なのよ」
「・・・兄貴がその事を知ったら、絶対戻らないよ。T大学には。何年付き合って来たの?由利さん、兄貴と」
「えっ・・?」
意外な恵二の返答に由利は少し驚いた。
「良いかい?俺の義姉さんになる人だったら、覚えておいてくれよ。俺も、兄貴もきっと仕事より女を取る。これは絶対なんだ。」
「そ・・そんな簡単な事では無いわ、貴方は大学って所を知らないから・・」




