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志村恭介編 ニ尾城
「どっ・・どうしたの?由利さん。兄貴とは連絡を取り合っているんだろう?」
黙って首を振る由利の眼から涙が零れた。
「あ・・兄貴の奴・・由利さんにも連絡もしてないって?」
恵二は驚き、そして怒った。
「あの・・馬鹿野郎!」
そして、由利に頭を深々と下げた。
「済みません、由利さん。兄貴は一端こうと決めたら、何も見えなくなってしまうんだ。でも、兄にはきっと事情があるんだと思う。勘弁してやって下さい。この通り」
いつも陽気で、元気一杯の恵二だが、沈痛な表情で、由利に何度も頭を下げている。




