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理想郷の通行証  作者: 御砂垣 赤
さる少年の誕生記
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 その村にとって、湖は神聖且つ重要な物であった。

 そしてそれを護るための様々な取り決めが存在した。

 湖に舟を出してはならない。

 湖から水を引いてはならない。

 湖に流れる川を止めてはならない。

 湖から流れる川を止めてはならない。

 湖で魚を捕ってはならない。

 湖にゴミを捨てるなど以ての外。

 その他諸々の『掟』があった。

 破った者には人を殺した以上の極刑が処される。当人は勿論、前後三代の親族さえ危うくなるのだ。

 村人たちは、敬意と畏怖と恐怖によってその『掟』を守り続けていた。

 唯一絶対神の様に村に君臨し続ける『掟』。その総歴は村の創歴に等しいという。

 『掟』は絶対。『掟』は常識。『掟』は基準。『掟』は教訓。『掟』は隣人。『掟』は番人。『掟』は裁き。

 完全無欠、唯一無二、一罰百戒、春蘭秋菊、一蓮托生、子々孫々、永遠不変、天地開闢。

 半ば催眠に似たその固定概念を破るものなど居はしない。それが、村人共通の確信でもあった。


 ────暦上雪の降る唯一の月、雪月。

 数名の村人は、身篭った一人の女が湖へ漕ぎ出すのを見た。



    legend=昔話

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