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夏生詩集2

ひとり

作者: 夏生

苦しくて辛くて

声もでなくて


咳がでて、フラフラで

情けなくて

寂しくて


ひとり、これが

ひとりっていうのか

熱っぽい口の中

噛み締めた


ごめんなさい

ごめんなさい


何に対して謝っているのか

わからなかった

けれど

すがりたい気持ちが

止まらなくなって


ごめんなさい、が続いてしまう


無人島だった僕の部屋

叫ぶ声もでない


文明の力を

力ふりしぼって

頼ってみた


返ってきたのは

イイネ!の山盛り

望みは笑顔で

絶たれた


明日のニュースに

僕のことが流れる


若者が孤独死

一体、何故?


ひとりで

倒れて声も出なくて

役立たずの

イイネ!に埋もれて


涙が止めどもなく

流れた頃

着信の甲高い音に

驚いて

受話器マークを

スライドさせた


あの子の声が

例え熱に浮かされた

幻でもうれしくて

僕は、立ち上がっていた


大丈夫?

何か頼みたいことある?

遠慮しないでね


返事をした僕の声は

震えていなかったか

鼻水すする音、

あの子に聞こえなかったか


そんなことが

気がかりになるほど

僕は

回復していた







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