灰 色
色の無い世界へ、ようこそ
私の見える世界は、灰色一色
青い筈のあの空も
色鮮やかなこの花も
生気溢れるあなたの顔も
でも悔しくも悲しくも無いわ
あなたの微笑みから自然と体温を感じ取る事が
できたんだもの
だから悲しまないで
私がこの世を去っても
色の持つ力や感動を知らずに死んだとしても
そんな人生だったの
神様が与えた人生だったの
この人生には、意味があった
あなたに出会えた
それだけで私は嬉しいの
だからお願い
私が暗闇の世界へ踏み出すまで手を握っていて
あなたを
あなたの温度を覚えていたいの
覚えて死んでいきたいの
ずっと側にいてくれてありがとう
私を選んでくれてありがとう
さよならは、言わないわ
またいつか会える気がするから
またね
私は、誰かと別れる時は必ずそう告げるの
また会おうね
これが最後じゃないよと約束の意味で
私を揺り動かすのは誰?
お疲れ様、よく生き抜きましたね
あ、神様だ
目を覚ました私は初めて初めての色を目にし
包み込まれ
真の意味で産まれた気がした