【クラシック短編】パスピエ
朝より
目が覚めた。
先程までいた夢の世界では、時間帯は真夜中。整備された道路で青白く光る街頭が印象的だった。
車の通りもなく、私達は夜道を走っていた。誰かに手を引かれて。
誰かはとても焦っていて、まるで私を何かから逃すために、ただただ手を引いたまま、無言で、振り返らずにひたすら、走る。
私は、手を引かれているその時間がとてつもなく愛おしかったが、覚えているのはそこまでで、特に起承転結がある訳ではない。
おそらく寝る前に消し忘れた、スマートフォンから聴こえるピアノ曲と日差しを添えて、夢の余韻に浸っている。
ドビュッシー作曲、ベルガマスク組曲 第4曲目 《パスピエ》
https://m.youtube.com/watch?v=7kWsMexg0zg
ドビュッシー作曲のパスピエがとても好きで、この曲を聴いて、いつも想像することを文にしてみました。
この《パスピエ》は「ベルガマスク組曲」という4曲から成る組曲の中の第4曲目です。最も有名なのは第3曲目《月の光》だと思います。
ドビュッシーまだまだ素敵な曲溢れているので、こうやって短編的なものを通じて、クラシック音楽を紹介できたらなと思います。