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第十五話

最終回です。

「現在、システムに異常なし。仮称モンスターホールへ速度3000で飛行中。突入まで残り350」


僕は一人乗りの小型飛行機を操縦しながら無線にそう呼び掛ける。


『了解。境界面までの距離は残り520。送れ』

「了解。境界面侵入の為、周囲に結界を展開。展開位置、自機周囲。纏」


その瞬間、飛行機の周囲が透明な膜に覆われる。

そして、下に向かうにつれ無線の繋がりが悪くなる。

少しすると、無線が途切れる。

それと同時に上にバフォールが乗る。

片手には槍が、もう一方には片手剣が握られている。


「バフォール、頼むよ」

「イエス、マイロード」


バフォールはそう言って武器を構える。

数秒後、衝撃と共に大量のモンスターが溢れ出て来る。

バフォールは綺麗にソレらの首を落としていく。

進むにつれて数を増すモンスターらを殺しながら僕らは遂にモンスターホールへと突入する。

中には荒廃した大地と紅く染まった雲が浮いて居た。


「エンジン停止。自然落下開始。自爆促進プログラムを副設定に設定。自爆プログラム、タイマーセット。95」


そして、地面に接近すると同時に僕は飛行機から飛び降り、地面に着地する。


「此処が終焉の地。黒龍の居る所か」

「黒龍戦には私は関与できません。ご無事で」

「心配するな。生命力には自信がある」


僕はそう軽口をたたきながら、手にグングニルを出現させる。

グングニルは普段とは違い、紅くそして黒く染まっている。


グングニル(神血紅槍)禁忌形態:神殺し(エクスショナル)


僕がそう呟くと同時に目の前の大地が盛り上がり、黒き龍がその姿を現す。


「黒龍。最後の試練か…」


黒龍の咆哮と共に黒龍の巨躯が発光する。

僕はグングニルを構え、黒龍の下に潜り込む。

そして、抉り取るように槍を刺し込む。

しかし、黒龍の鱗には傷一つすら付かなかった。


「流石、硬いな」


僕は顔を顰めつつ、破滅の血と智血鎖縛を使った。

その瞬間、周囲からどす黒い鎖が現れ黒龍を縛り付ける。

しかし、黒龍はものともせず破り僕を蹴り上げる。

僕の服が破れ、血が噴き出る。

僕は血を智血鎖縛で塞ぎ、グングニルを構える。


数分間の睨み合いの後、痺れを切らした黒龍は黒いブレスを吐く。

僕はグングニルにて弾き返す。

しかし、弾き返し切れなかった分が頬を掠る。

掠った所の感覚がなくなっていくのが分かる。

そして、ブレスの攻撃が終わったかと思えば尻尾が横から飛んで来た。


「しまっ――」


僕は軽々と尻尾に吹き飛ばされ荒廃した大地に転がる。

手が震えている。

口からは血が垂れている。

どうやら口の中を切ったらしい。

片足は動かない。

いや、右脚の先は既に無くなっていた。


「…嘘…だろ」


僕は智血鎖縛で血を止める。

しかし、立てる状況ではなかった。

右脚は無くなっており、左脚は粉砕骨折。

少しずつ近づいてくる黒龍に震えを抑えきれなかった。

恐怖を具現したような黒龍は再度、ブレスの兆候を見せる。

僕は死を覚悟する。

その瞬間、脳裏にミサの姿がちらつく。


「負けて堪るか。そっちがその気ならこっちだって考えが有るんだよ」


僕は智血鎖縛で黒龍の口のみを縛る。

ブレスは黒龍の中で爆ぜ、鎖を破る。

黒龍は平然として僕を踏み潰そうと脚を出した瞬間だった。

バフォールが黒龍の顔面にドロップキックを繰り出した。


「なっ…バフォール、君は介入できなかったんじゃ?」

「もう悪魔じゃなくなってしまったので」

「は?」

「それは後で、説明します。取り敢えず、治しましょうか」

「どうやって――」


僕のその言葉を最後まで紡がれなかった。

なぜなら、バフォールが僕の唇を奪ったからであった。

そして、そのバフォールの目からは涙が流れていた。

気付けば僕の手足は全て元に戻っていた。


「ご主人様、もう二度と離れません」

「バフォール、君は本当に…」


僕は呆れ気味に呟き、黒龍と対峙する。

しかし、僕の眼は他の物を捉えた。


「ミサ!?」


僕が小型飛行機を捉えると同時に黒龍の巨大な尻尾は飛行機に当たる。


「……バフォール、ミサは?」

「分かりません。ですけど……アレは…」

「夢…じゃないよな」

「はい」


僕の心の中に渦巻いていたどす黒い感情が溢れ出す。

ソレは少しずつグングニルへと巻き付いて行く。


グングニル(神血紅槍)禁忌最終形態:全神破滅殺槍嵐エクショナル・アドバンスド・テンペスト


誰がそう呟いたのか、僕は知らない。

しかし、今僕の腕と一体化した槍を指す言葉である事だけは理解できた。


「クソ龍が。死んで贖え。クククッ、そうだ怯えろ。怯えれば良い。死ね。神も悪魔も天使も魔物共も死ね。全ての生物を殺せ。ソレを以て供物としようじゃないか」


既に僕の精神は壊れていた。


「リミッター解除。グングニル、全てを殺せ」


そう言って僕は黒龍へと走る。

その間、何発もブレスが飛んで来るが僕は全てを避け、その背に生えた蝙蝠の翼で飛び立つ。

それに合わせて黒龍が飛び立つ。


「では、行こうでは無いか。黒龍さんよぉ?」


最早、僕の身体は僕の制御下になかった。

何かに蝕まれる様な不快感が僕を――僕の精神体を襲う。

僕の身体は傷一つ付かなかった黒龍の鱗をズタズタにしていた。

僕の周りには赤黒い竜巻が渦巻いており、その中には大量のグングニルが浮かんでいる。

そして、黒龍を包囲した瞬間グングニルが全て黒龍に向き、飛来する。

黒龍は尻尾やブレスで応戦するがグングニルの量に押されズタボロになり落ちた。

そして、身体は僕に戻った。


「ミサは…?」

「無事です!」

「本当か?げふっ」


血痰雑じりの咳が出た。

近づいてくるバフォールを他所に僕は意識を失う。

そして、僕はある場所に居た。


「久しぶりだね。ヴィドレ君!」

「テンション高いですね。ナルナロク」

「そりゃぁね!ミッションコンプリートおめでとう!」

「黒龍倒しちゃいましたけど」

「良いだよ。ちょっと狂暴化しちゃったみたいでね理性の欠片も無かった」

「あれをちょっとって言うのは…」

「と、要件を忘れる所だった。君が倒した黒龍。アレは世界の負の感情の掃き溜めなんだよ。それは普通、恒星にあるモノだ。よって、アレは本来有ってはいけないものだった。それを排除した。それによってモンスターは消滅する。しかし、君の世界は被害を被る」

「?」

「簡単さ。あのモンスターホールに近い奴らは死ぬ。ま、君らの文明レベルは2000年代前半くらいに戻るかな」

「そうですか」

「ま、精々頑張る事だよ。暴血鬼神レグニチュア」


そして、ナルナロクが消えると、僕は飛行機の中にいた。


「気付きましたか?」

「ああ、それで此処は?」

「オスプレイの中です」

「ミサは?」

「寝ています。今は静養が優先かと」

「それもそうか…」

「それとご報告です。先程、西洋圏は壊滅。世界人口は半分ほどに。それと文明レベルの低下と共にモンスター等の情報の消滅」

「消滅?」

「はい。全て記憶から消えています」

「それ以外は聞いた通りか…」


僕はそう呟きつつ、今後の行く末に憂いを見せるのだった。

何というか雑な終わり方になってしまった事、お詫びいたします。

これからは少々忙しくなりそうなので新作は無いでしょう。

(そんなに楽しみにしている方がどれ程居るかは聞きたくないですが…。多かったら良いな~と思って書いてます。ハイ)

では、次作でお会いしましょう。(ないとは言っていない)

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