〜浪人は人類を超越させる?〜
20XX年春、俺、天狼勇士は
晴れて大学生になる、、、はずだった。
言い訳するつもりは到底ない。
進学校で彼女まで作り、幸せな高校生活を
謳歌していた。しすぎていたのかもしれないが。
こんな伝記を手に取るような
君達には分かりえない「青春」だろう?
それがこの結果だ。
青春なんてものは
必要ない「経験値」だったってことだろう。
愚痴はこのくらいにしよう。
これから話すのは
私の「過去の栄光」という名の物語だ。
天狼勇士、19歳。
お世辞とは言えないが全てにおいて平凡だった。
名前負けしてると何度いじられたか…
そんな俺はとうとう大学生にもなれなかった。
「浪人生」というやつだ。
今までの自分をやり直す機会を
もらうべく予備校に向かった。
不安からくる汗しか握れないこの手で扉を開けた…!
その瞬間、懐かしく心地いいレベルアップの音が
聞こえたと同時に視界がブラックアウトした。
消えそうな意識の中、脳に直接声が響く。
「あなたはこの世界でなら輝ける。」
目を覚ますと、誰かに抱き抱えられていた。
見上げるとそこには元カノの顔があった。安心したその数秒後周りを見渡して乱心、言葉が漏れた。
「ここは違う世界なのか…?」
気絶する前に見ていたビルに囲まれた景色とは打って変わって、見たこともない怪物に囲まれていたのだから。