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綺麗

作者: Dolly Pearl

私が初めて彼と出会った時の感想は、

「歳上にしか見えないな。」

だった。彼は三つ歳下で私の一番下の弟と同い歳だった。声をかけられ連絡先を交換した。それから毎日途切れることなく連絡が来た。新鮮だった。私は用事がある時以外連絡を取るタイプではなかったし、たまにご飯に行く男友達はいても普段から関わる男性はいなかった。彼は出会って2日で私の生活の中に入り込んできた。しかしそれを不快に思うことはなかった。心の中には入ってこなかったからだろう。だから入れてもくれなかった。

飲みに行ったり、通話をするうちに彼の事が分かってきた。まず、優しく面倒見がいいということだ。友達はそれを優しさとは言わないと言うが、下心や、気持ちに応えれない罪悪感あったにせよ、気遣いができるのは優しいと思った。また、自分に自信があり、夢をたくさん持っていた。いつもなりたいものややりたいことが違う彼の話は聞いていて飽きなかった。これを何も考えてない、適当だという人もいたが、やりたいことが多くあり、まるで本当に全て叶えるような言い方や雰囲気を出せる彼を素晴らしいと思った。私には想像もつかない彼の経験と度胸がそうさせたんだろう。気づいたら大好きだった。

しかし、彼は寂しがり屋で一人が嫌いな人だった。会ったばかりの私に果てしなく優しく接したのもそれが理由だったんだと後で気づいた。優しくすることで皆に好かれ、皆に求められ一人を回避していたのだ。それが悪いとは思わなかった。自分の足で自分の作り上げた道を歩いていると思った。その姿はとても必死で可愛いと思った。

私が彼と両思いになれなかった理由は、私があまり自分を話さなかった事や、嫌われたくなくて様子を伺うようになった事も関係しているかもしれないが、一番は運命だと思う。それは彼を好きだと自覚した時から関係が終わった時、そして今も変わらず思う。初めから違った。横に並んだ時の違和感。服装や身長ではなく、空気が違っていた。だから終わることも分かっていた。しかし、後悔はない。とても神秘的で私の経験の中で一番綺麗な恋だった。


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