表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

その時、々を越えて

 半年前、僕はそんな風になるとは露ほども思わなかった。いつもその場所にあったものと、少しばかり離れ離れになるだけだと、そんなふうに気軽に思っていたんだけど。一度離れてしまうと戻れなくなって、そのまま疎遠になって……。


 これ以上の事を考えるには、僕の先を歩いていた君の事を思い起こす事としよう。僕は君とあまり共通する話題がなかったように思う。


 それでも、あくまで付き合ってくれた君に対して敬意を払って、「誰か」について考える時、共通する話題といえば……阿鼻叫喚の恐怖に対する一体感だろう。


 最近は、細かな意義を探るための旅として、恐怖に向き合う事がある。嫌な事、不快な表現、大量にあるけれど、向き合うほどに小さな部分に原石を見いだしていける。それに関して、君の見る世界の深い淀みに対する笑い……つまりは、不条理を愛する心……とはやはり対極にあるのだろう。だから、語り合う時にはどうしても、何ともぎこちなくなってしまう。気を遣わせて、ごめんなさい。


 言葉をなくして、声をなくして、ただ向かい合う時に、識者たちの中に紛れている愚者である時に、僕が幸福だったのは、彼らの好きを垣間見て、それらを「好き」と感じる事ができた事。それが、実際には幻想であったか否かは別として。


その時、々を超えて、僕の「好き」を認知する機能も、「好き」を表現する機能も死んでいった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ