【北条】 小田原見物
相模本国・北条氏政の居城・小田原城を臨む形になったのは良いが、武蔵・相模からの執拗な攻撃に頭を痛めてる。
上毛(群馬)方面から上杉謙信がフォローしてくれてはいるが、北条の底力を思い知った。
出城の弓隊与一は、休む暇がない。資金も存分に使ってしまったが、それこそ「今でしょ」って思う。
まあ、義経もいるし、なんかあったも逆転できるでしょ。
義経。任せた。
半兵衛と一緒に小田原見物してくるよ。
私と半兵衛は秀吉が一夜城を作ったと言われる石垣山に登った。
眼下に小田原城を眺めながら半兵衛と作戦会議だ。
「どうだ。半兵衛、小田原城は落とせそうか?」
「無理ですね。これ程の規模とは。ほぼ、不可能。落とせないでしょう」
「元も子もない事、言わず。策はないのか」
「ありませぬ。無理にございます」
2人で大きく溜息をつく。
「半兵衛、他の国の話なんだが、聞いてくれ」
「ある武将の弟が、落としたい城の中にいたんだ。その武将は弟の見舞いの品と称して武器をその城に運び入れた。そして僅か17人でその城を落としてしまった」
「まさに天才ですな。その武将とは。一体誰ですか。会ってみたいものです。」
「私もだ」
(実はその天才とは半兵衛の事なんだけど)
「殿の話は、要は城は内部からの攻撃に弱いという事を示唆しています。小田原城も内部から攻める事が出来れば、もしや。」
「半兵衛。小田原、寄ってく?城の中も見物しよう」
「大丈夫だよ。これでも、運だけは良いんだ」
さすが、小田原城。日本最大級だ。
城の城壁の中に街や田畑があるぞ。町のみんな活気があるなぁ。私もこんな国が作りたいよ。良い国だ。小田原って。
おっと、この堀深いな。落ちたくないな。
「殿。はしゃぎ過ぎです。北条の手の者に見つかったらどうするのです」
「でも、超えなきゃいけない城壁は実質3つ。門は4つだ」
「半兵衛、せっかくだから、団子食べよう」
団子屋では、祭りの話で盛り上がっていた。
「ああ、みんな楽しそう。お祭りだってよ。私もこの国に住みたいなぁー〜」
「殿。不謹慎です。が、良い策が思いつきましたぞ!」
「でかした。まさか、この町に住み着いちゃうとか?」
「殿。お国では与一が苦労してますぞ」
「いい気味だ。へへ」