【2周目】半兵衛の仇討
配下でもあり親友でもある半兵衛が死んだ。
悲しみに暮れる暇もなく、北条軍が城へ追撃してくるらしい。
国主の里見義堯は、落馬のため、意識が混沌としているらしい。嫡男である私が総大将として北条軍を打ち破らねばならない。
まさに、絶対絶命のピンチである。
敵兵力は4000。こちらは無理に集めても2000。
丁度、 倍の兵力である。籠城したところで援軍などない。総兵力なのだから。
詰んだか。
こうなったら、玉砕だ。
まずは、兵を集めて演説だ。やってみたかったんだ。
「皆の者、よく聞け。これより我らは打って出る」
兵達に動揺が走る。当然か。
「皆は悔しくないのか!北条に負けた事がではない。
一緒に戦った友を失った事がだ。
同じ村の見知った仲間が殺されたんだ。
故郷の方達は先祖代々怨んでおろう」
「今回の合戦は『仇討ち』である。正義は我軍にある。必勝だ。」
「皆の者、恨みを晴らせ!」
「おおおおおお〜」
これで兵の士気は万全?やるぞ!北条。必ず半兵衛の仇を討つ。
「殿。感銘した。共に北条を滅しましょう」「うむ、やる気が出た」「やれば出来る」ん?ひとり上から目線?
兵達も目がヤバイ。人殺しの目になってる。
まあ、私も人殺しになったんだけどね。
そんなでいざ、合戦。玉砕覚悟じゃなく玉砕自殺である。
前線中央に本陣が出る。左右に義堯の配下を配しての総力戦だ。
前線中央本陣内で自ら旗を掲げる。
「皆見よ。先の戦で散った半兵衛の旗だ」
「この旗がある限り、里見は負けない。この旗を見て自らを奮い立たせよ!」
「いざ、合戦である」
北条家綱成の本陣では、嘲笑うかのような面持ちである。
「初陣しか経験のない子供に何が出来よう」
「こちらは大人だ。兵数を揃え、兵2000で対抗せよ」
「あの旗を倒せば、勝負が決する。浅はかよの。里見の倅も」
合戦が始まった。旗を目掛けて敵が執拗に攻撃してくる。士気の高い本陣は物ともせず、 前へ前へと敵を切り崩す。里見軍が優勢のまま、合戦が進む。
始め子供と舐めていた北条軍も兵の異常な士気の高さに気づいたようだ。
新手を中心の本隊に向けた。私の旗の周りも次から次へ味方が参る。
入れ替わり、立ち替わり兵が赴くのだった。
「皆の者、最後の一兵になっても仲間の仇を為せ!」
どうやら気持ちが通じたらしい。旗を持つ手も限界だが、この半兵衛の旗だけは離せない。
業を濁した北条も本隊以外の残り全部隊を投入してきた。いよいよ玉砕か。3度目のプレイにかけるしかないか。もう、崩壊寸前だ。前線が崩壊したら確実に死ねる。後がない総大将。だから、みんな必死なんだけど。
やっぱ、戦は数だよね。
死んじゃうよ。詰んでたし。諦めるか。
諦めたらそこでゲームオーバーなんだよね。
半分諦めたら、敵・本陣の後方から敵本隊に突撃する部隊が現れた。
義経だ。やっぱ、馬鹿でしょ。義経。怖いもの無し?
義経の騎馬隊は北条綱成目指し一直線。
手薄になった本陣を狙って大将首をとるのか。
北条綱成も剛の武人。そう易々と倒せない。一合、二合と牽制し合う。すると、義経馬の背に立ち飛んだ。綱成の馬に着地すると、背後から首を落とした。
「北条軍大将 綱成の首、討ち取ったりーー〜」
げっ。まじか。勝っちゃった。
ゲームオーバー覚悟していたのに。