プロローグ
私は、誰もが認める三流大学の暇な学生。
趣味って言えば、ゲームとラノベにアニメという、おおよそ典型的な暇を弄ぶだけの学生だ。
特に『センゴク』モノは大ファンで、「信長の野望」は全て制覇している。
ただ、プレイするだけじゃつまらない。いわゆる「縛りプレイ」じゃないと満足出来ない。
縛りって言っても飴と鞭じゃなくて、そう、例えば、弱小の「安房・里見家」で強大な「北条家」を撃ち破るってのに達成感を感じるのだ。
ある日いつもの様に、暇つぶしのゲームを探しにリサイクルゲームショップへ。
特売品コーナーに埋もれていた「信◯の野望・リアル版」を発見。
「リアル版?」ナニソレ?
最近流行りの上杉謙信が美少女だったりする某ゲームの対象位置を狙ったの?
まあ、全作プレイしている私にとっては当然「買い」だ。
家に着いて、夕飯・お風呂と大好きなポテチを準備して、早速ゲームスタート!
「あっ!」部屋の電気が消えて真っ暗になった。
でも、ゲームは消えてないし、まあいっか。スタートボタンをクリック。
いきなり、真っ白な別空間に迷い込んでしまった。
真っ白な空間にPCデスクだけが異様にぽつんと置いてある部屋。
なんかもう、後戻り出来ないっぽい。どうしよう。
PCディスプレイが眩しいくらい。ゲームの音楽が耳触りだ。まるで早くプレイしろって急かしてるよう。
なになに?プレイする大名を選べって?
当然、里見家「安房」でしょ。関東の隅から天下を望むよ。
なになに?配下の武将?
うーん。じゃあ、お言葉に甘え「竹中半兵衛」。
なになに?あと3人?
じゃあ、「羽柴秀吉」。ブザーが鳴りその武将は選べませんって?当然か?
てか、竹中半兵衛は良いの?なぜ?
じゃあ、「真田幸村」。ダメか。信繁でもダメか。
要は、歴史的に関わる人物はダメっぽい。幸村は良いと思うけど。
じゃあ、戦国時代じゃない武将。「源義経」
無理だよねって、えっ、OK?良いの?チートじゃない?
じゃあ、あと2人は「武蔵坊弁慶」「那須与一」って事で。
これで、軍師・騎・槍・弓が揃った。ウキウキかも。死角無し!?
なになに?能力値?ステか。
じゃあ、『運』『魅力』全振りかな。
知力50 体力50 武力20 機敏80 運100 魅力100
別に自ら無双するのが目的じゃないし、戦いは優秀過ぎる配下に任せよう。
最後かな?スキル。定番だねー。
じゃあ、『読心』『説得』。
戦闘系、内政系は配下に任せよう。なんか、既に人頼みになってるけど。
もう後戻り出来ないっぽいけど、ゲームスタート!