第一冒険者
投稿ペースなどは特に決めていません。書きたいときに書きます。
誤字脱字、違和感があるかもしれませんが、脳内補正で頑張って下さい。
主人公の情報は決めかねる。
一時間は歩いただろうか、強化魔法を試しながらだったため、かなり時間を無駄にしたが。それでも得たものはあった。まず、全体を強化すると、運動能力だけではなく、視力や聴力といった五感も強化されることが分かった。
その中でも、動体視力や反射神経の上昇は、戦闘でもかなり役に立つと思う。
「それにしても…」
何にも起きない!魔物が出ないか少し期待していたのに。やることも無いので、そこら辺にあった薬草っぽい物や、石、枝といった小物を適当に収納しつつ王国を目指す。
更に三十分ほど歩いたところで、前に馬車らしきものが止まっているのが見えた。
ちょうどいい、コミュニケーションがとれるかの確認と、王国までの距離を聞こう。
結構近づいた所で、相手も俺の事に気が付いたらしい、何やら馬車の仲間に向かって何か叫んでいる。
「おーい、ちょっと道を訪ねたいんだが」
相手は殺気立っているように感じる。
……殺気?相手が俺に向ける感情が手に取るように解る、て言うか何で殺気向けられてるの?
「止まれ!」
馬車から降りてきた相手は、剣を抜いているのが二人、魔法使いっぽい人が二人の計四人だ。
「待ってくれ、俺は怪しい者じゃない!」
「怪しい奴はだいたいそう言うんだ!」
じゃあ何て言えばいいんだよ、怪しい人ですって言えばいいのか?
「話しを聞いてくれ、俺は王国までの道を聞きたいだけなんだ、本当にそれだけだ!」
話し合いを始めたみたいだが何を喋っているのか聞こえないな。こういう時こそ…。
聴力強化!
おっ、聴力だけの強化は初めてだが、十数メートル先の小さな声位なら聞き取れる。
(盗賊じゃないか?でも相手は一人だ。他に仲間がいるんじゃ?話しだけでも聞いてやったらどうだ)
何やら俺を盗賊か何か疑ってるみたいだ。
「手を上げてこっちに来い」
俺は手を上げてゆっくりと歩きだす。
「武器をこっちに」
「…それは出来ない、そっちは盗賊かも知れないだろ?だから武器を捨てることは出来ない」
まぁ、さっきの会話を盗み聞きした時に、冒険者ってことは確信したんだが。
「…分かった、いくつか質問に答えてもらってもいいか?」
「内容によるな」
「それでいい、名前と出身場所と年齢、それとここにいる理由だ」
「名前は…」
名前どうしよう?こっちの世界の人達にとって、日本の名前は違和感が大きいかもしれない。
日本の名前は捨てて新しいのを考えるか?
そんなことを考えていると
「名前は捨てたのか?」
「捨てる?」
「故郷を捨てて村を出ると、同時に名前を捨てて、やつが結構いるんだ」
結構簡単に改名できるのね。
「ああ、そんな所だ。それで、新しいのを考えてる」
「なら、出身はきかねぇ、年齢とここにいる理由だけでいい」
「年齢は十七、ここにいる理由は、その…村を出てこれから王国に向かう所だ」
「てことはお前さん、この国の人間じゃないのか・・・冒険者登録はしてるか?」
「してない、王国に着いてからしようと思ってる」
「ちょっと待ってくれ」
また仲間同士で話し始めた。
全部聞こえてるんだよなー
「お前さんどれくらい王国を目指して歩い
た?」
「一時間以上は歩いたかな」
「それまでに魔物に会ったか?」
「会わなかったな」
「そうか…分かった、質問ばっかして悪かったな、俺はダナフォード王国バルタン地区の冒険者で、ドランってもんだ。お前さんを信じよう」
よかったー、これで盗賊判定されたらどうしようかと思ってた。
「それは良かった、所でここから王国までどれくらいあるんだ?」
「なんだお前さん、距離もわかんねえで村飛び出してきたのか?」
「計画性がなくてな」
「そうか、馬車なら数時間、歩きなら一日はかかるぞ」
遠いなー、こちとら食料も何も無いんだぞ
「えーと、乗せてってくれたりとかは?」
「俺達はここいらの調査で来たんだ、王国の近くの魔物が減ってきてるんでな、停滞期かもしんねえ、小一時間位調査して魔物の数を調べるのが依頼だったんだが、お前さんが会わなかったのなら、まぁ停滞期で間違いねえか。ここで会ったのも縁ってもんだ、送ってってやるよ!」
それからは、他の仲間の人達と自己紹介をし、バルタン地区に戻る。ドランと名乗った人も故郷を捨てた人だったらしく、俺のこれからのことを一緒に考えてくれた。見た目はちょっと威圧的だが、気性は荒くはないようだ。
「お前さん、冒険者登録するんだったらちゃんと名前を考えておけよ。その名前で有名になれば、そうそう変えれなくなっからよ」
「んーそうですね」
「ですね?敬語はやめろって、弟子とったみてえでむずむずすんだよ」
「ドランは、バルタン地区じゃ結構有名なんだぜ?」
「やめろってステイ」
ステイは最初にドランと剣を抜いてきた人だ。
「分かった、村を出るのは初めてなんだ王国でのこと色々教えてくれよ」
「おう!いいぞ」
俺は、王国に着くまで馬車に揺られながら、ドラン達との会話を楽しむ。
次回のネタは考えてあります。
時間を無駄にしない程度にお読みください。