第1部「狩りの開拓」 第7話 弟子の戦闘
やっぱり戦闘シーンが一番難しいですねw
「うおりゃああああっっ」
ノブナガのカタナがのんきに休んでいた2メートルほどの牛頭のモンスター、タウロスウォーリアに大上段からの一撃を浴びせる。タウロスウォーリアの体力が1割ほど削られノブナガに振り向き威嚇の咆哮をする。ノブナガは一瞬怯むがそのまま突進していく。タウロスウォーリアが自身の武器であるクレセントアックスをノブナガに振り下ろすがノブナガは急停止することで避け、クレセントアックスは地面に食い込んでしまう。思いっきり振ったことでクレセントアックスは地面から抜けなくなってしまった。その隙を見逃す手はない。ノブナガはクレセントアックスを登って一気にタウロスウォーリアの肩に上がり弱点である眉間に、
「はぁぁぁっ」
全力の突きを叩き込む。9割残っていたはずの体力はその一撃で全損する。直後タウロスウォーリアは硬直し光になって消える。後にはドロップアイテムである「牛頭戦士の角」が残る。ノブナガは大きく息をし残心。
牛頭戦士の角 レア度5 素材
タウロス族の戦士の角。武器や鎧、果てはアクセサリーまで用途は多種多様。
「師匠~~~。狩れましたぞ~」
「なんでそんな技術があってトレインしてたんだよっっっ!」
「いやぁ~、その時は多数相手用の「抜剣」でなく一対一用であるこの「オオガタナ」を背負っていましたからな。師匠が来てくれなければこやつらをドロップしていたかもしれないでござる。本当に感謝しているでござるよ」
「あんだけのプレイヤースキル持ってて、俺から何か学ぶ必要あるのか?」
「ふっ、愚問でござるな。拙者は師匠の戦い方に惚れ込んだのでござるよ。大胆に敵陣に突っ込み、しかし緻密なまでに計算されている。まるで摩利支天が宿ったようなそのスタイリッシュな戦い方を、ぜひ勉強させてほしいのでござるよ」
ヤバい、こいつは今まで出会った中で一番ヤバいヤツだ。断ったら手にしたカタナで斬りかかってきそうな雰囲気を宿している。
「そんなこと言っても俺の戦い方はスキルや種族保有スキルもあるから簡単にマネ出来るもんでもねぇぞ?」
「はて、師匠は拙者と同じヒューマンかと思ったでござるが違うのでござるか?」
「最近世間様で嫌われてるユニーク種族だ」
最近拠点に行くとユニーク種族や特典パックに付いていた「ダークエルフ」や「ドラグナ―」などは普通版しか買えなかった一般プレイヤーからは「チーター」や某ライトノベルのように「ビーター」などと呼ばれ嫌われるようになってしまっていた。
「いや、拙者はそんな風に思わないでござるよ」
「え?」
「拙者は普通版しか買えず、このヒューマンを選びもうしたが後悔は全く無いでござるよ。種族保有スキルのおかげで経験値が入りやすいからすぐにレベルアップしたでござるしな。拠点で縮こまって何もしない奴らのいうことなんてデタラメでござるしな。ほとんどは悲観してばかりで働かないニートなんでござるから」
「ノブナガ・・・・・」
「へへへ」
「後ろ」
「へ?」
ノブナガの後ろには新たなモンスター、タウロスウォーリアより大きな3メートルほどの身長のタウロス族。しかし一番の違いは全身を覆うフルプレートアーマーと楯に片手剣。
フィールドボス「タウロスロイヤルナイト」が立っていた。
「しっ、師匠! こいつは・・」
「ああ、大物だな。それと師匠って呼ぶのは良いが何も教えられねぇからな」
「はっ、はいっっ!」