第4話 初めての狩りとトラブル
そんなこんなで街から少し離れたクルード樹海にやってきた俺たちは狩りを始めることにした。
「なぁラグナ。一応聞いておくがチュートリアルは終わってるんだよな」
「そうだが?」
「じゃあ、なんで、そんな、ハズレ武器使ってるんだよぉぉぉーーーーー!!」
現在俺が使っている武器は「新米狩人の投げ槍」と「新米狩人のガントレット」である。
「新米狩人の投げ槍」 種別 武器
プレデターの新米狩人に渡される投げ槍。性能はまだイマイチ。切れ味も微妙だが貫通力が高い。
攻撃力30
「新米狩人のガントレット」 種別 武器
プレデターの新米狩人に渡される手甲型武器。工夫次第で様々な機能を発揮される。片手にのみ装備可能。
攻撃力60
「なんでこれがハズレ武器なんだ?」
「その武器二つとも「体術」スキルとってないと扱えなくて投げ槍は「投擲」スキルも必要なんだけどどっちのスキルもまだ未発見なんだ。だからハズレ武器なんだよ」
そうなのか?特典のプレゼントボックスの中から出てきた武器だから何とも言えないがそういうものなのか。
「でもそれなら心配いらないぞ」
「は?」
「プレデターの保有スキルにある「異界の狩人」には武器の装備制限を解除する効果があるんだよ」
「はぁぁぁぁっっっ!?」
「ほら、さっさと行くぞ」
「えっ、ちょっ、待」
そのままズカズカと樹海に踏み込んで行くラグナと、それを見送るガルグイユ。ガルグイユはVRゲームの中では感じようもない得体の知れない恐怖と寒気を感じていた。
※※※※※※※
クルード樹海にやってきた俺達は早速1mほどの巨大なヒヨコ型モンスターを見つけた。
「なぁガルグイユ。あのチョ○ボみたいなやつは?」
「あれはヒバード。ノンアクティブモンスターで金を落としたり素材アイテムを落っことして逃げるマスコット的モンスターだ」
ふむ、つまりモン○ンのア○ルーみたいな物か。ならば、
「先手必勝・・・」
「え、あっ、待て馬鹿」
何か聞こえたが気にせず槍の投擲体勢に入りスキルの発動確認とともに槍を投げる。俺から放たれた槍は草を啄んでいたヒバード目掛け真っ直ぐ吸い込まれる。次の瞬間、
ヒバードの体が原型を失った肉塊と化した。
「あれ?」
「あれ?じゃねええんだよぉぉぉっっ。お前あんな可愛らしい生物ミンチにするとか何考えてんだよ!!」
なぜだ。俺はただ「異界の狩人」と「強者の威圧」を発動した上で投げ槍を投げただけだぜ。なんでチキンミンチが出来上がるんだ。もう一度見てみるとミンチのあった場所にはきれいな黄色の羽が落ちていた。触ってみるとアイテムボックスに入った。確認してみると
黄鳥の幸せ冠羽 種別 レア度5素材
ヒバードがごく稀に落とす素材。この素材を使用した防具を着用するとレア素材のドロップ率が上がる?
その代わりに制作難易度は高い。
随分といい素材が手に入ったもんだな。だが制作難易度が高いならしばらくは保留だな。
「もういい。気分悪くなったから俺は一回抜けるわ」
「まだ一匹も狩ってないだろ?」
「あんな光景見せられて狩りできるのはお前だけだよ。 なんでこんなヤツ好きになったんだか・・・」
「ん?何か言ったか?」
「何でもねーよ。ったく」
なんなのだろう一体。そのままログアウトしようとしているガルグイユがふと手を止めた。
「どした?」
「ログアウトボタンが見つからねーんだよ。おっかしーなー」
その一言がすべての始まりだった