第15話 反逆者 エドワード・ウェイン
「はぁぁっ」
手に持った槍を渾身の勢いで突き出すが敵はそれを盾で受け止めた。そして槍が弾き飛ばされる。ここは俺が拠点にしている村からほど近いアクルカ森林。高さ50メートルほどの木々が乱立し樹上から奇襲を仕掛けてくるモンスターが多い。今俺の戦っている相手も奇襲を仕掛けてきた。
エイプ・ウォーリア。片手に三日月刀、片手に円形楯を構えながら俺に襲い掛かる準備をしていた。だが当時の俺はクエストで手に入れたレアアイテム「インヴィジブルクロウ」の効果で逆に奇襲することに成功した。
インヴィジブルクロウ レア度6 防具
纏った者に隠蔽効果を与えるマント
ハイディング効果アップ
樹の枝に隠れるように待ち構えていたエイプ・ウォーリアに攻撃を仕掛けたのは良いが俺はレベル15、エイプ・ウォーリアはレベル20。苦戦は予想したが予想以上の力だ。だが、
「ストロングバイト!」
「捕食」の攻撃スキルで文字通り肩に食らいつく。「捕食」はモンスターの体などに嚙みつくことで相手にダメージを与えると同時に自分にバフデバフをかけるというものだ。攻撃力アップのバフが付与されると同時に俺は前傾姿勢になるとエイプ・ウォーリアの懐に飛び込み、
「ぬぁっ!」
ガントレットに付いたブレードでエイプ・ウォーリアの首を切り落とす。一瞬硬直したエイプ・ウォーリアは光の欠片となって消える。
「これでクエスト完了だな」
このアクルカ森林にやって来たのは村の集会所で受注したクエストによるものだった。メニューアイコンを呼び出すと報酬金が振り込まれていることを確認する。
「さて、帰るか。今日の晩飯は「チャラーン」ってメール?誰からだ。鍛冶屋のおっちゃんか」
だが宛名にあったのは、
「レジェンド・ハンター・オンライン運営から?」
その時の俺の顔はこんな(。´・ω・)?顔になっていただろう。そのメールに添付されていたのはクエストの依頼だった。
反逆者の試練 ユニーククエスト
かつて圧政を強いた反逆者エドワード・ウェインが森の奥で目撃されたようだ。原因を探れ
報酬 ?
「よくわからんがとりあえず行ってみるか」
クエスト発生によるガイドマーカーが出ているのでそのまま森の奥に脚を進めた。
※※※※※
数時間後、もう周りは夜になってしまった。だが既に目的地には着いた。
そこは普段なら来ないような森の奥深く。そこには草木や苔で隠されるような小さな墓があった。
「我らが英雄エドワード・ウェイン、ここに眠る」
帝国歴1253~1338
「ここがそいつの墓のある場所だってのか。英雄の眠る場所にしちゃ寂しいな」
「そう思うだろう?」
「!」
後ろから声がかかり、振り返るとそこには一人の男がいた。
年齢は30前半、フードの付いたコートを羽織り、各所に巻かれたベルトには長剣や投げナイフを帯びている。両手には俺と同じようにガントレットを嵌めている。
そいつが俺に襲い掛かって来た。
「ぐっ」
「反応がいいな。だけどまだ甘ぇ」
次の瞬間、俺の天地が反転した。




