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第1部「狩りの開拓」 第13話 空白

「なんでさ・・・。」

「・・・・・」

無言のままガルグイユが片手に持った斧を振り上げた。俺はただ見ているだけしかできず、その攻撃を受け入れた。

※※※

次に目が覚めた時には街にある白楼閣の一室だった。この部屋を死亡時の復活地点としてギルドメンバー全員が登録していたが使うような事態になるとは思わなかった。持ってたアイテムの損害を確認してみたがポーションがいくつかなくなっただけで済んでいた。

「おいウンコウンコヘタレ中二病ヘタレウンコファッカー野郎」

「ウコンか」

「兄上、それウンコいくつ入ってるんでござるか凄いでござるなセンス無いでござる」

「・・・ノブナガ・・・若い女子が・・・そんなことを連呼するな・・・」

「お前が戻ってくるまでに一人除いた全員のギルメンが戻ってきてる。お前あのガルグイユとどういう関係なんだ?」

「俺をこのゲームに誘ってくれた親友だ。でもどういうことなんだ。ジェノサイドアクスってのはなんなんだ。あいつは」

「おっと、どうどうどう。そう急かすなよ。お前が何でそんなに世情に疎いのか知らんがそこには突っ込まないでおいてやる。あいつ、ガルグイユは半年ほど前に突然現れた。あの片手用戦斧「ジェノサイドアクス」を携えて、PKギルド「ジャックザリッパー」を設立し、草原フィールドで探索中だった最前線ギルドを壊滅させたプレイヤーだ」

「!?」

嘘だ。アイツは確かに言葉遣いがチンピラみたいだが、そんなことをできるヤツじゃなかった。それなのにどうしてだ。

「葛藤してる顔がめちゃくちゃおもしろいが、そのジャックザリッパーも、もう存在しねぇ。うちのスパイが潰したからな」

「は?」

「ついさっきその連絡が入ってな。今来るはずなんだが」

「うこ~~~ん!」

部屋の戸をぶち破りサクヤさんが入って来た。エセ京都弁を使うハンナリとした雰囲気を漂わせる和風美人だが俺と同じモンクタイプのプレイヤーなのでドアなんて簡単に蹴破る。

「あっ、あの人が帰って来たえ!」

「 ! 全員装備のチェックだ!ラグナは今すぐ俺の後ろに!」

「は?」

その瞬間



部屋にドラゴンの首が落ちてきた。



「はぁぁぁぁぁぁっっ!?」


「ああ、すまんね皆の衆。邪魔だったから狩ったんだ。土産には大きすぎたね?」

そのドラゴンの頭頂部から声が聞こえた。目を向けると、男が一人立っていた。黒いオーバーコートとジーンズに身を包み、手には鉄球の付いた手錠をはめており、無造作に刈られた無精髭と短髪が野暮ったい雰囲気を醸し出しているが、よく見ると愛嬌のある顔だちをしていて好感を覚える。

「おや、そこの少年は?」

「新入りだよ。あんたがいない間に入ったんだ」

「ふむ、では自己紹介だ。私はブリッツd」ズダーン

自己紹介の途中で俺の横に控えていたウコンが倒れ、離れていたサコンさんが胸を押さえて苦しみだした。

「おいっ、どうした!」

「い、いま、すぐに、離れ」ガクッ

喋り終える前にウコンが力尽きる。ウコンの頭上には雷のようなマーク、麻痺のステータス異常が表示されていた。急いでサコンさんの方にも顔を向けるとサコンさんの頭上には毒々しい紫の泡のマーク、猛毒のステータス異常があり苦しそうに絵めいていた。

「どういうことだ、あんた?」

「ああ~、これはだねぇ」ズルッ

突然眠気が襲い掛かってきて俺はそのまま眠りに落ちた。最後に見えたのは男の申し訳なさそうな顔と自分のステータスに表示された睡眠のステータス異常だった。

※※※

二時間後

ステータス異常から甦った俺はウコンに詰め寄った。

「あれは一体どういうことだ?」

「ブリッツの事か。俺もよく知らないが、ユニーク種族「ヴァンパイア」と手に付けた手錠「血界の拘束」、極めつけは極限まで高められた幸運ステータスで敵味方問わずに状態異常にしちまうんだよ。しかも幸運すぎて攻撃判定も狂っちまう。うちの最強プレイヤーさ」

ブリッツさんの参考になったキャラは「血界戦線」のブリッツさんですwww

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