第一話 追いかけっこ
桜の花が綺麗に舞うこの時期
俺、神崎ユウキは今年から高校生になる
ドタドタドタ
この、満開に咲いた桜たちの下をくぐり、うれしさと、楽しみさ
これから、友達ができるのか、ワクワクしながら歩いていたら
気づいたら、川原の横を俺の足は学校に早く向かいたいといっているかのように、俺を走らせた
じょじょに走るペースが早くなっていた俺は
校門についたときには、もうすでにハァハァゼェゼェ…と息切れをしていた
ドタドタドタ
だぁぁぁもう、さっきからドタドタドタなんだよ
何だ?地鳴りか?
だんだん大きくなってきてるしな
・・・・・・
大きくなってきてる!?
っておい、ななななんか、誰か新幹線並みのスピードでこっちにくるぞ!?
よし、冷静になれ、落ち着くんだ、俺
そうだ、よく考えろ
・・・うん、今やることはあれだ、たった一つ
逃げろおおおおおおおおお
うおおおおおおおおおお
さっきも全力ではしったつもりだったが
人間やればできるもんなんだな、さっきの倍近く早く走ってるぞ
今、タイムはかったら絶対に五秒代の自信がある
もう、将来的オリンピック選手になろうかな・・・なんちゃってテヘ
ってテヘじゃねえええええよ
なんか、一人で心の中でボケてつっこんでいるけど、今全力でにげてるんだからな!?
全力で10kmくらいはしったら、
目の前が壁だったのでそれを、ハァハァゼェゼェ…いいながら、蹴ってジャンプして飛び越える
ハァハァそのまま100mくらい走ったところで ハァハァ
ドタドタドタとおとがしたので、俺は相手もあの壁を飛び越えたんだなと確信した ハァハァ
それと、ハァハァ怖くて後ろを向けなかったが、だいだい予想はしていた、それを確信するためにも、あの、壁を俺は登った、もちろん逃げ切ることが最優先だったが・・・
い、息がもたねぇハァハァハァ
なんせ、だいたい10kmは走ったんだ、しかも制服で
そう、俺が知ってる中で制服で10km走ったって
しかも、壁を軽く超えるやつは、俺の知っている中であいつしかいない
『ユウキ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
はぁ、なんでお前はそんなに無駄に体力あるんだよ
闇呪 吹雪
ああ、戻りたい
吹雪と追いかけっこしていた
この頃に
こんな、学園ドラマみたいなことをやるのが
今日で終わりと
まるで俺達の入学を祝うかのように満開に咲いた桜が、俺ら以外のじんるいが、
今日で一瞬にしてブラックホールに吸い込まれたかのような、枯れた生物になってしまうことを、
この時の俺は知るよしもなかった
そのころ、吹雪とユウキが追いかけっこしている
近くの家で
赤い屋根の上に座り
足をぶらぶらさせながら、
小柄の腰くらいまである長い黒髪少年のような男は、
誰にも聞こえないくらいに小さな声で呟いた
?『闇呪吹雪と神崎ユウキみーつけた』と
そういい
ニヒっという効果音がつきそうなくらい
少年は怪しい微笑みをうかべていた
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