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荒野につがれる物語  作者: |||&_.
刻の章
19/33

19

『マスタ。ボクには、ドアを作るのはムリです。ボクは歌うアンドロイドなんですカラ』



『お前が壊したんだろうが。つべこべ言わずにさっさと作れ。壊した責任は、きっちり取れよ』



『俺も手伝うから。こいつは怒らせたら怖いんだ。素直に従っておくのが、長生きする秘訣だよ』



『ボクにはコレが精一杯です。マスタ、コレで勘弁してください』



『お前、これはドアじゃなくて、ただの板だろうが。せめてここにはまるものを作れ』



『だからと言って、こっちみたいに隙間だらけなのも困るけどね』



『お隣サン! お隣サンちのドアをください!』



『それは最後の手段だな。今日中に玄関が出来なかったら、お前のところのドアをもらっていくからな』



『俺ん家の? それは困るよ。俺ん家の玄関がなくなるじゃないか』



『お願いシマス!お隣サン!』



『いいからお前はさっさと作れ。いいか、モノをつくるっていうのは、すごいことなんだぞ。お前の手で――――』


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