35瓶 冒険ギルド
騎士団からの白紙依頼の内容が、枯れ木に花を‥状態で・・。
‥ひとまず、調査の為に‥冒険ギルドへ向かいます。
ウィリディス州 騎士団扉の、使用許可を得る為‥州軍の軍団長様から、白い依頼書が届いた。内容は・・カイチェットの森を、ボトルグの森に戻す事。
‥期間は、1年 以内。
それよりも、情報が足らなくて、何をどうすれば良いかが、全然分からない!
‥なので、とにかく調査が必要。全域は広いので、行った事の無い部分の調査へ‥冒険者と、非番の騎士団兵を連れ‥って流れになる。
朝の人が居ない商館で、ホリーさんに説明を受けた内容は、メモした。
「冒険ギルドは‥あちらの扉から出れば‥目の前ですね」
‥え?そうなの? そうだった??‥見て無かった。
そうだね…。アクセサリー屋に、向かった時、通ったけど‥素通りで。
「‥自分に関係しないと、見てない事も多いので‥」と苦し紛れの言い訳みたいに、言ってしまった。そ‥そんなに近い所に在ったのか‥。恥ずかしい!
ホリーさん、苦笑してる。うぅ‥。
「とにかく、行ってみます!」ホリーさんと、奥の人‥見てないだろうけど、お辞儀して、言われた方の扉から出る。
ザアァァァ・・・。そうでした。雨だったわ。
‥ポンチョを出して、羽織った。
今日は、雨だからか・・人通りが少ない。今だけ‥かな?
ホント、すぐの所に在る‥大きな建物が、冒険ギルドだ。
・・・初めて入るかも。
中に入ると、壁際で寝てる冒険者が居たり、奥のお店で何やら‥話し声は聞こえるけど‥そこまで、人が居ない。
「すみません・・」と声をかける。
一瞬 睨まれるけど…。目つきが悪いのかな?
「‥商人が、何用ですか?」
「依頼を出したいんですけど・・」
そういうと、不愛想な女性の受付は、カウンター下から、紙を1枚出し‥。
「これを、あっちの台で書いてきな」と顎で示される。
頷いて・・。台と言うより、机‥。椅子は無いけど・・。暗い‥。
ん? 何か、白いボタンを押すと、その机だけ‥明るくなった。
『ん‥むにゃ…』
視界の右下辺りに、さっき寝てた人が居たみたい。起こしちゃったかな?
・・・・また、寝たみたい。
紙は、A4くらいの大きさ。
依頼主・・は、リモン‥と。所属?‥商人ギルド・・で良いのかな?
うんと、依頼内容・・。カイチェットの森で、調査への同行。
騎士団 兵士の同行 希望の有無・・。有‥で。
えっと、期間…3日程度。
報酬‥どうしようか?
例えで良いから、何・・とか、知ってる辺りの物の名前 出れば・・。同じくらいの価値の物から、選べるんだけど・・。
まぁ‥全部・・とか、遠慮の無い人は‥お断りするけどね。
出せる物のカテゴリしか書いてないから、金・素材・加工品・武具・・に〇を付けて・・。先程のお姉さん‥に、出す。
紙を無言で受け取り、一通り見ると「ギルドカード出しな」と言われるので、出された手の上に置いた。
・・すると、大きなハンコを‥ ダンッ! と押して・・。
「騎士団の同行・・必要?」はい・・。
「冒険者が どなたになるかで、変わると思うのですが・・念のために」と言うと、ふーん・・って顔して、ここで待ちな…と言われる。
奥の部屋に行くと、大柄な男の人が来た。見ため・・熊?!
「おまえさんが、リモンか」え?・・はい・・。
こっちゃ来い・・というような手振りで、また‥カウンター内へ 入る。
奥のローテーブル と ベンチ椅子の所・・奥に、座らされる。
熊のような人は、反対側の椅子に‥勢いよく‥壊れないのだろうか?と、心配になるくらいの、音を響かせ‥座った。
「騎士団の同行は、認められとるが‥。非番の兵士で、尚且つ‥同行しても良いって奴しか、無理だぞ‥。その辺は、分かってるか?」
「はい。同行出来る騎士が、居ない場合は‥調査は、延期にします」
「ふむ。考えておるな…」
「それから、騎士には依頼の報酬とは、別の報酬が必要だぞ」はい。
その辺は、先程・・聞いたばかり。
貰った紙を出して、質問してみた。
「一覧は、頂きましたが‥どのくらいの価値の物が、宜しいのでしょうか?」
例えば・・で、武器なら 攻撃力いくつ くらいの物・・とか、素材なら、どういった物が、該当するのか?などを。
「武器なら、そうだな‥ボトルグの森になった時に、戦えるくらいだから‥」
…そうか。今は、居ないけど・・。
元に戻る形で・・変化したら、その時‥戦える武器が、望ましいんだ。
「最低でも、30以上だな。50あると良いが」
うっ・・さすがに、50の物無いな。作らないと。
「素材なら、ジン‥ヘボコ岩‥。あと、スコヴェル粉 や スフェラ石 とやらくらいか?」‥何でしょう?
‥それ、全部…。ぼく‥作った事ある物ですよね? わ ざ と かな?
「‥なるほど。では、防具なら、どのくらいが望ましいのでしょうか?」
「防具か・・。うーん。人によるが、大抵は‥20程度から、40もあれば良いのではないか?‥俺は、防具を使わないから、よく知らんが」
・・・そうでしょうね。
筋肉ムキムキ・・で、力籠めたら‥服が、ビリビリと破けそうです。
「‥用意、出来そうか?」
武具、私自身は‥使えない物の中には、いくつか‥40とか在ったけど・・。
「さすがに50までのは無いですけど、40程度なら持ってます」と言うと、熊の・・もう、あだ名になってるけど・・。口角を上げ、に ん ま り する。
「うむ!なら、大丈夫そうだな!」
「‥あと、確認したいんですけど」と話 終わりそうな雰囲気に、待った!をかけた。「ん? 何だ?」
「騎士団の方が、来たとして‥。同行の日程とか‥えっと・・食事は‥」
「うーーん。おーい、マルテ!・・あいつ‥えーと、プールスは、もう来てるのか?」「居ますよ。プールス!ギルド長が呼んでるぞ!」と大声で、呼び合う。
‥ご飯時の、我が家かな?
どこからか、人が来た。緑の髪で‥水色の目の人だ。
「お呼びでしょうか?」
「おう!こいつに、騎士団 同行の あれ これ を、説明してやれ」
そう言って、席を立つ。慌てて立って「説明ありがとうございます」とお辞儀する。ギルド長だった…。熊さん。名前は‥存じませんが。
プールスさんに、座るよう‥促されて座り直す。
「それで、騎士団 同行の、何について‥説明すれば?」
「はい。まず‥非番の方が来るという話でしたが、毎日 変わるのですか?」
非番とはいえ、毎日 同じ人・・な訳じゃないと思って。
「そうですね。最初の内ほど、日によって来れる人が変わります」
やはり‥そうなんだね。
「場所は、どちらに?」カイチェットの森になると伝えると「では、町の出入口 辺りでの集合となりますね‥」と。
‥町の出入り口で、待ち合わせて‥出発・・。
ふむ。やっぱり、森に近い所の方が‥良い気がしてくる。
「調査の範囲は?」「全域です。ただ、1日に‥少しづつ‥ですけど」
何度か頷き「兵士によっては、長く同行したがる方も居る場合は、野営も行えます。まぁ、人によるので、全員では無いですね」
「それから、その‥野営でなくても、昼間の食事や‥薬は、こちらで用意した方が、宜しいでしょうか?」
「‥えっと‥どうでしょう?」え・・知らないの?
「いえ‥少し、待って下さい」と思い出そうと顎を掴んで、唸りだした・・。
「‥確か、以前に薬師の同行で行った際は、現地で獣を倒して食べた‥とか」
「でも、カイチェットの森に、獣・・居ませんけど‥」
・・・。
「‥そうでしたね」
なんか、無さそうだなって思ったから・・。もう いいやっ。
「じゃあ、こちらで準備する事にします。薬は使いたい物を‥言ってもらえば、無償で提供する事にします」
「え?!‥無償は‥マズいのでは?」・・?‥どうして?
「同行してくれてるのに、都度 金を払わせるのですか?‥逆に面倒では?」と、私の方が‥怪訝な顔で反論してしまった。
「いえ、その日の終わりに徴収‥という形が多いのですよ」
「‥でも、こちらは同行をお願いしてるので‥」
「あなたが、良いなら‥それで良いとしましょう」と‥なった。
なんだか、すみません。
「他には、何か‥ありますか?」
「兵士でも、同行する冒険者でも‥。自分の赤い髪に、嫌悪感を抱いてるような人は、同行を拒否したいのですが・・」
‥あぁ。と察して下さった。商館での事など、何か聞いてるのかも‥。
「それは、記載しておきますね」と言ってくれる。
「‥同行者が決まったら‥どういう流れで、行けるのでしょうか?」
‥まず、依頼の紙が出される。
最初なので、ランクは低め。カラーって、ランクの人に‥出されるらしい。
ちなみに、カラー=赤い紙。商人ギルドの赤さと違って、やや黒っぽいから、深紅寄りかな?って思った。
「そうだ‥報酬って、どのくらいにしたら?」
「騎士団兵ですか?」「いえ、依頼の方の・・」
基本は、魔物も出ない森での同行なので、300R 程度で良いらしい。
思いのほか‥安い。良いの?
「同行中の、食事や薬の提供があるなら、高いくらいですよ」
「そうなんですね‥」この世界の金銭 感覚に‥馴染めてません。
「‥そういえば、依頼の報酬は‥ギルドに預けるのですか?」
「そういう場合も、ありますが‥。現地集合・現地解散‥などの場合は、別れる際に『本日の報酬』として、お渡しになれば良いでしょう」預けても構わないと言われる。そうすれば、払った・払ってない‥というトラブルは、防げると。
「‥報酬の金額って1人‥300Rですか?‥1枚で‥ですか?」
「1枚で・・ですよ」
グループで受けても‥300R・・。来る人、居るのかな??不安だ。
「最初しばらくは‥誰も来ない可能性も‥ありますが‥」
・・そういう事も、あるよね。
「雨となった場合は、どうされますか?」
「あぁ‥えっと、大雨なら中止で」大雨だと、危険かも知れないし。
‥つるっと滑って‥うっ。転生前の事を…思い出してしまった。
「分かりました。騎士団にも通達しておきます。今の宿は、どちらでしょう?」
「‥緑一色の‥」と言って、すぐ理解された。
依頼についての、あれこれを‥ひとまず、納得した。
そろそろ、宿に戻って錬成したい!
「では、お願いします」依頼報酬は預けて、人の多くなってきたギルドから、お辞儀して去った。
‥雨・・上がってた。雲の切れ間から‥青い空が見えてる。
雨上がりの澄んだ空気を嗅ぎながら、宿に戻る。店主 居ないや・・。
階段を上ってる…と、あれ?店主さんが‥居る。
「どうしたんですか?」
店主の奥に、騎士団の兵士まで居た。
え? 何事??
「君の部屋に、誰かが押し入ったみたいなんだ」と店主が、壊れて床に転がってるドアを指さして‥言った。
・・私が出かけて数分後に、大きな音に驚いて、上に登ると‥ドアが、壊されてるのが、見えたらしい。直後に、何人かの足音が‥聞こえたけど、すれ違ってないって。…泊ってる人って事よね?
「ドアが壊されたけど、他に空いてる部屋が‥無くてね…」
「そなたの安全の為に‥他の宿へ、移ってもらいたいのだが・・」
‥この町、ここしか泊まれないけど?
港町へ行くしかないかな?‥まぁ、まだ明るい時間だし。
「分かりました。構いません」じゃあ、鍵返して清算したら向かおう。
「‥いいよ・・。こんな事、今まで無かったんだけどね・・」
お金・・受け取ってくれない。どうしよう。払わないと、落ち着かない。
「じゃあ、代わりに‥これ、預けます」と、傷薬アメ10粒の袋を渡す。
それは、非売品で‥お店側で保管して欲しい事を伝えた。
傷薬アメ・・。飴 と、名が付いてるけど、さすがは元ノイゼルって感じで、気温の変化に強い。今の所・・窓辺に置いて、実験してても・・溶けて くっつく…という事が、起こってない。
‥口の中より、高温なのにね・・。なので、冷却不要なのだ。
お・・店主、受け取ってくれた。
「それでは‥」と宿を出て、一旦・・ギルドに寄る。
さっきの・・プールスさんを見つけ、宿が変わる事を伝えた。
いえ・・まだ決まってないから‥とは言ったけど、港町になりそうと伝える。
「では、決まり次第‥ギルドから、こちらへ連絡するように、お伝え下さい」
会釈して‥まずは、近所の‥港町へ。
・・・なんか、変だぞ。
‥どこの宿も、空いてない‥と言う。
それも、名乗った矢先に、ダメって。何?どこぞからの根回し??
はぁ・・さようで御座いますか。・・良いですけどね。
‥トントの町まで、来てみました。
あの高級宿ですら、満員 御礼らしく‥空いてない。
…どうしよう。どこも‥空いてないぞ。いっそ・・野宿?なんて、思ってたら・・・ワングさんに声をかけられた。
「なんじゃ?宿、空いてなかったのか?」はい・・。
ワングさん、大荷物 持ってたので、運ぶのを手伝いながら、お店まで来た。
「一泊くらいなら、泊めてやっても‥いいぞ。どうする?」
「え⁇ 良いんですか⁈…お願いします‥」
‥今夜は、なんとかなった。明日から‥どうしよ?
【マルテ】ガリゾーントの町・冒険ギルドの受付。誰と話しても不愛想。女 / 23歳 / 独身 / 斧使い / 166cm / 筋肉質 / 緑の髪 / 茶色の瞳で釣り目。眉毛太め。
【プールス】ガリゾーントの町・ギルドの説明係。得意分野の話をすると、止まらないし、止められない。男 / 25歳 / 独身 / 槍と魔法使い / 177cm / 細身 / 肌白い / 緑の髪 / 水色の瞳。
【カラー】
冒険者ランクの1つ。一人前と認められ、他所の町への行き来を許可される。
※リモン ( 凛 ) の金銭感覚 → 300 Rを300 円と思ってるせいで、安く感じてる。
【ノイゼル】
モラスクストラーノが落とす素材。無味 無臭・無色 透明。食用。熱に強い。
次回、追いやられる形で、森へ行きまして‥えぇ…初の・・・




