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トロッコのペテン師
――ある日。
「そんなこと聞いてないわよ!」
さおりんの金切り声。
選択肢
1.「ですから、こちらに書いてありますので――」
2.「たしかに、俺は言ってないな」
3.サオリから離れる
私は正直者だ。
この正直さがどれくらいのものかというと、「責任が生じるかもしれないことを言及するくらいなら黙っていたほうが得だ」と考える程度だ。
操作を待たずに画面が切り替わる。
N(othing) END: なにもしないをする
「そういう演出もあるか」
新作の恋愛ゲームはオタク向けだった。
起動後のオープニングもなければ、NEW GAMEを選ぶよりも先に修羅場に放り込まれる始末だった。
すぐに守護霊――この場合は悪霊か――が欲しくなりスマートフォンを拾い上げる。ロックを解除しアイコンを探す。右下のいつもの場所にある。ひねくれものが多くて、SNSのやつ。
早速タイムラインから屁理屈のインストールを試みる。ふむ。
「一理ある。一理ある……が」
どの考察も、確かめてやろうという気にはならなかった。
――別の日。
語には引力がある。
認知の車輪を轍に手繰り寄せる。
「問題」とつけば、それが答えを出せるものだと錯覚する。
A(gree) END: 分岐器




