何万年も、あなたを赦せなかった 〜再会した彼は、私を殺した最愛の人でした〜

人は皆、どこかの神から御魂を分けられて生まれてくる──そう語り継がれてきた。ムーの最後の夜、禁忌の儀で「誓い」を交わした二人は、やがて大陸の沈降と共に引き裂かれ、何万年もの輪廻へ落ちた。
幾度も世をまたぎ、何百年ごとに出会っては失い続けた二人は、ついに現代日本で再会する。
彼は、かつて私を殺し、そして救った人。

アロマセラピストの私、天宮詩織には、物心ついた時から続く“喪失感”があった。
ある日、サロンに現れたのは、医療機器メーカーの若き社長、神凪 蓮。
彼と視線が合った瞬間、魂が叫ぶ。
――この人は、私を知っている。
触れた指先から蘇る、ありえない記憶の断片。
燃え盛る神殿、沈みゆく大陸、そして、彼の瞳に映る絶望した私の顔。

幾度となく転生を繰り返し、出会いと悲劇を重ねてきた魂の恋人たち。
これは、何万年も前に交わされた“誓い”と“裏切り”、呪縛を断ち切り、今度こそ、輪廻を終わらせることで“本当の愛”を始めるための物語。